スクランブル 海外勢、そろり回帰 長期保有にらみ銘柄選別 2016/07/23 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合1面にある「スクランブル 海外勢、そろり回帰 長期保有にらみ銘柄選別」です。





 22日は戻り相場が一服した。日銀の黒田東彦総裁の発言などで円高・ドル安が進んだためだが、積極的に売り込む動きは見られず意外な底堅さを見せている。社会現象となっている任天堂はこの日も大商いが続いた。活況を取り戻した日本市場にそろりと戻ってきたのが海外勢だ。回転売買の短期筋だけでなく、銘柄を選んで長期保有する動きも広がっている。

 「外国人投資家の悲観的な見方が修正されてきた」とアリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之氏は解説する。一時1ドル=105円台まで円高が進み自動車株などが売られたが、下値では買いが入り日経平均株価の下落率は限定的だった。

 市場を席巻する任天堂は連日の大商いで、売買代金は7260億円と東証1部の3割を占めた。この日は円高が進んだとはいえ、円ドル相場は1カ月足らずで円安方向に6円ほど動いた。企業業績の下振れ懸念はひとまず後退している。

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 こうした要因が「日本企業を再評価するきっかけとなった」(国内証券のトレーダー)といい、海外勢の買いが戻ってきた。ヘッジファンドなどの短期筋だけではない。中長期で保有する投資家が成長期待のある銘柄に買いを入れている。

 22日は反落したものの旭化成株は21日まで8日続伸していた。株価を押し上げたのは海外マネーだ。

 「旭化成のどこを評価したんだ」。米運用大手キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメントが旭化成株を取得したことが明らかになると、市場ではこんな会話が飛び交った。英国の欧州連合(EU)離脱ショック直後も含めて何度も買い増し、直近の保有比率は7.65%になる。

 関係者によるとキャピタルが評価したのは2次電池の主要部材であるセパレーター(絶縁材)だという。旭化成は昨年、米社を2600億円で買収し、自動車に使うリチウムイオン電池や鉛電池向けのセパレーターを手に入れた。「これで総合力が生かせる」と小堀秀毅社長は話す。

 キャピタルは医療機器や分析機器向けセンサーで高いシェアを握る浜松ホトニクスにも資金を振り向けた。「医療関連や食品向けは長期にわたり成長が期待できる」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小宮知希氏は話す。キャピタルは中長期の産業構造の転換を見据えて銘柄を選ぶとされ、為替相場や商品市況による一時的な相場の振れとは距離を置く。

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 22日に東京証券取引所が発表した7月第2週(11~15日)の投資部門別株式売買動向(東京・名古屋2市場と新興市場の合計)によると外国人投資家は2週ぶりに買い越した。買越額は3511億円と、4月第3週以来の規模になる。

 このまま海外マネーの流入は続くのか。来週は日銀の金融政策決定会合が予定されているうえ「企業業績の先行きはまだ見通せていない」(クレディ・スイス証券のバジル・ダン氏)と慎重な声も多い。これから本格化する2016年4~6月期の決算発表を、海外勢は冷静に見極めようとしている。

(平沢光彰)



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