スクランブル 空売り勢 やきもき 下がらぬ相場、買い戻し探る 2015/07/04 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合1面にある「スクランブル 空売り勢 やきもき 下がらぬ相場、買い戻し探る」です。





 信用取引などで株式を借りて売る「空売り」が増えている。東証全体の取引に占める空売り比率は3日に34%と、過去最高に近い水準にある。ギリシャの財政危機などリスクがくすぶるなか、相場がそろそろ下がると見る投資家が多いためだ。思惑通り下がらないと、損失回避の買い戻し(踏み上げ)を迫られる。空売り勢の行動が思わぬ波乱を招く可能性がある。

 財政再建策を巡るギリシャの国民投票を5日に控え、3日の日経平均株価は値動きに乏しい展開だった。そのなかで前日比2%高い1万425円と、2006年以来の高値をつけたのが日東電工株だ。

 好業績を評価した海外投資家の買いに加え「空売り(信用売り)勢の買い戻し」(松井証券の窪田朋一郎氏)が入った。日東電の信用売り残は6月末で36万株と、2カ月間で8割増加。この1年で株価が2倍になり、反落を見込む投資家は多いが、下がらないのを見て買いを急いだようだ。

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 松井証券では、バブル相場を経験した60~70代の個人投資家を中心に、チャートが一本調子で上昇している主力銘柄を空売りする例が目立つという。中外製薬も2カ月間に空売り残高が8割増えた。だが売り方の思惑通りには株価は下がらず、3日には上場来高値を更新した。空売り勢の買い戻しで「踏み上げ」が起きているのは明らかだ。

 市場全体の空売り残高も高水準にある。信用売りを全体の売り注文額で割った空売り比率は、12年秋にアベノミクス相場が始まるまで20%台で推移していたが、昨年後半以降、30%台が定着。6月の下旬には一時38%台と08年の調査開始以来最高の水準に上昇した。7月以降も35%前後の高い水準が続いている。

 空売り残高が高止まりした状態にあると、相場の上昇局面で「踏み上げ」を誘い、それが上げを加速する結果になりやすい。5日のギリシャの国民投票で緊縮財政策が受け入れられれば、危機は当面回避できるとして安心感が広がる可能性がある。これを受け、日経平均株価が再び高値をうかがうようなら、「空売り勢が我慢できずに本格的に買い戻してくる」(大和証券の木野内栄治氏)。

 こうした需給面の押し上げ要因で2万1000円の節目も見えてくるとの指摘も市場では出ている。

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 「踏み上げ」が期待しやすい銘柄として市場が注目するのが、5日平均の売買高に対して空売り残高の比率が大きい銘柄だ。通常の商いの規模と比べて空売りの比率が大きいことを意味する。ひとたび株価の上昇が始まると、買い戻すのに時間がかかり長期の上昇相場になりやすくなる。

 主力株でこの比率が高止まりしている銘柄は3日時点でカシオやファーストリテイリング、エーザイなどだ。いずれも5日平均売買高に対する空売り残高の比率が節目の2割を超える。これらの銘柄は「海外投資家が買いを仕掛けてくる可能性もある」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)という。

 ギリシャ問題に注目が集まるなか、週明けの株式市場では売り方の動きにも注意が必要だ。

(藤原隆人)



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