スクランブル 騒ぐ相場、守る投資家 逃避マネーは内需銘柄に 2016/01/07 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合1面にある「スクランブル 騒ぐ相場、守る投資家 逃避マネーは内需銘柄に」です。





 「騒ぐ申(さる)年」の本領発揮か。米利上げや原油安、中国景気など昨年来の懸案に、新春相場は中東リスク、さらには北朝鮮の「核実験」まで加わった。日経平均株価は大発会の4日から21年ぶりとなる3日続落。この間の下げ幅842円は1991年(950円安)以来、25年ぶりの大きさだ。リスク回避姿勢を強める投資家。資金はどこに向かうのか。

 6日の相場の頭を抑えたのは初めは中国要因だった。朝方発表された2015年12月の非製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.2と過去2番目に低く、景気低迷を示唆する50割れ目前の水準。「中国の減速感が一層強まった」(大和証券の細井秀司氏)との見方から、鉄鉱石など海上荷動きの鈍化が懸念され海運株などが売られた。

 さらに円高の重荷も加わる。円相場が一時1ドル=118円台前半と約3カ月ぶりの円高水準を付けるや、自動車や電機など主力の輸出関連株に売りが膨らんだ。

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 そこに正午前飛び込んできたのが北朝鮮の核実験ニュースだ。日経平均先物はみるみるうちに1万8000円を割り込んだ。投資家の不安心理はいやが上にも高まる。日経平均株価の将来の予想変動率を示す「日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)」は24.71。利上げが決まった米連邦公開市場委員会(FOMC)直前の昨年12月15日以来の高水準になった。

 「どうにも外部環境が不透明すぎる」(国内投資信託)なか、それでも投資家が資金を振り向ける銘柄はある。例えば、東証業種別33業種中、30業種が下げるほぼ全面安の6日、逆行高を演じたのが、NTTだ。個別の買い材料が出たわけではない。地政学リスクの影響が小さい内需銘柄の典型として選ばれたもよう。

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 要は15年から続く内需・ディフェンシブ選好というなじみのテーマだ。昨年は世界中の低金利を背景に「債券代替」として、業績が安定しており、株価のボラティリティー(変動率)の小さい食品や医薬、鉄道などが物色された。

 その資金流入を構造的に加速する金融商品も登場した。最小分散型と呼ばれる上場投資信託(ETF)だ。米国に上場する「iシェアーズMSCI EAFE最小分散」など、日本株を組み入れる時価総額の大きい2本のETFの発行済み口数(株式数に相当)は約1億と、昨年倍増し時価総額は約8000億円に達する。組み入れ上位にはNTTドコモや西日本旅客鉄道(JR西日本)、武田薬品工業、オリエンタルランド(OLC)などが並ぶ。

 昨年来のメーンテーマに、年初からの地政学リスクで「逃避マネーの受け皿」という買い材料が加わった格好。既に昨年大幅に上昇した銘柄も多いが、「割高な株でも選定基準に合えば機械的に買ってくる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真氏)のが、このタイプのETFだ。医薬や食品のセクター平均PBR(株価純資産倍率)は2倍超と割高な水準だが、この地合いで資金流入が続く可能性がある。投資尺度が効かないという「リスク」にも目配りが必要だ。

(湯浅兼輔)



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