スタートアップ大競争ここまで来た(2)20歳、起業は2社目若さ や失敗も原動力に 2017/8/29 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の第一面にある「スタートアップ大競争ここまで来た(2)20歳、起業は2社目若さや失敗も原動力に」です。





 仁礼彩香さん(20)は一見、ごく普通の女子大生だが、2度の起業経験を持つ「シリアルアントレプレナー」だ。最初の起業は中学2年生だった14歳の時。大学に入った昨年夏、企業向け研修や製品開発を支援する2度目のスタートアップ企業「ハンドC」を設立した。

大学生の仁礼彩香さん(右)は14歳で起業した(都内)

教育制度に疑問

 「どうして答えはひとつなんですか」。起業したきっかけは、画一的な日本の教育制度への疑問だった。子どもが自由に表現したり、発信したりする手助けをしたい――。14歳で起業したグローパスでは、森永製菓とお菓子作りを通じて子どもの創造性を育む講座などを開いた。

 グローパスを中学生の後輩らに託して、ハンドCでは社会人などを対象にしたオンライン教育の事業計画も練る。

 世界の株式時価総額で上位5位内に入るアップル、アルファベット(グーグル)、マイクロソフト、フェイスブック。いずれも創業者が10代後半から20代前半で起業し、世界市場を切り開いてきた。

 中国のネット通販最大手のアリババ集団(浙江省)を率いるジャック・マー会長。アリババを興す前に3度、起業と失敗を繰り返した。

 大学教師から転身して1992年に翻訳会社を設立。運転資金を稼ぐため、贈答用の花や医療機器など売れる商材には何でも手をつけた。競合企業に自分の会社を買収されたこともあった。雌伏の7年を経て、アジア全域に広がる巨大な経済圏を築き上げた。

 世界では若さや失敗はスタートアップの障壁にならない。むしろ、イノベーション(革新)を生み出す原動力となる。

 日本はどうだろうか。年功序列や大企業志向が根強いが、15歳で起業したGNEX(東京・品川)の三上洋一郎社長(19)は「10代での起業は珍しくない」と語る。倒産経験をリスクとしか見なかった「日本株式会社」も変化の兆しを見せる。

倒産経験が資産

 福島銀行は2015年、過去に倒産経験がある経営者の再起を後押しする10億円規模の投資ファンド「福活(ふっかつ)ファンド」を設立した。

 8月には、倒産経験のある起業家が経営するスマートフォン向け動画配信サービス会社に4000万円を出資。訪日外国人客向け観光案内サービスを支援する。「成功や失敗を問わず、起業した経験はスタートアップで重要な資産だ」。福島銀行と組む起業家支援団体、MAKOTO(仙台市)の竹井智宏代表理事は語る。

 「自分にしかできないことを極めたい」。音声認識技術を開発するフェアリーデバイセズ(東京・文京)の藤野真人社長(35)は語る。08年に東京大学大学院医学系研究科を中退。医師になる道を捨て、フェアリーデバイセズを起業した。

 臨床研修で枕元に置いたクマのぬいぐるみに話しかける女の子の姿が、今でも忘れられない。ぬいぐるみが人間のように応答できる技術がビジネスとして花開き、シャープのロボット掃除機など数多くの家電製品に採用される。

 民泊の世界最大手であるエアビーアンドビーは、観光とは無縁の20代のデザイナーたちが起業した。情熱やアイデアがあれば、誰でも起業家になれる。答えは、ひとつではない。



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