スプリント、唯一の減収 米通信大手4社、10~12月決算 赤字縮小でも3位遠く 2016/02/19 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際2面にある「スプリント、唯一の減収 米通信大手4社、10~12月決算 赤字縮小でも3位遠く」です。





 【ニューヨーク=清水石珠実】米通信大手4社の2015年10~12月期決算が出そろった。上位3社は増収で黒字を確保したものの、ソフトバンクグループ傘下の4位スプリントは唯一の減収で赤字だった。ただ人員削減などのコスト削減努力により、赤字幅は前年同期比で3分の1に縮小。収益体質を改善して反転攻勢に出る構えだが、上位3社との差は大きい。

 スプリントの昨年10~12月期は、売上高が前年同期比10%減の81億700万ドル(約9200億円)、最終損益は8億3600万ドルの赤字(前年同期は23億7900万ドルの赤字)だった。

 昨年半ばにスプリントを抜いて業界3位に浮上したTモバイルUSは純利益が約3倍に増加。売上高でもスプリントを上回り、明暗を分けた。

 スプリントの最終赤字はこれで6四半期連続。ただしコスト削減効果で16年3月期通期では1億~3億ドルの営業黒字を確保できる見通し。従来予想は5千万~2億5千万ドルの赤字だった。

 スプリントは年20億~25億ドルのコスト圧縮計画に取り組み、1月末には全従業員の約8%にあたる2500人を削減する方針を示した。実現すれば同社の従業員数はこの1年半ほどで2割相当の6千人余り減る。

 契約者の流出にも歯止めがかかってきた。携帯電話の解約率は1.62%と前年より0.68ポイント低下し、10~12月期ではこれまでで最も低かった。通信網の向上や新規契約者の顧客層の絞り込みなどが効果を上げた。従来のように同社の顧客がライバルの草刈り場だった状況は変わりつつある。

 「消費者のニーズは強い」。スプリントのマルセロ・クラウレ最高経営責任者(CEO)は、年末商戦向けに乗り換え客の料金プランを他社の半額にする販促活動を3月末まで継続することを決めた。「スプリント=他社の半額」という分かりやすいメッセージは、米消費者に定着してきた。

 ただ利益を削っての割安戦略には懸念もある。米調査会社モフェットナザンソンによるとスプリントの負債は340億ドルに達し「顧客獲得には有効だが(負債を返す立場では)賢明な策とはいえない」(アナリストのクレイグ・モフェット氏)。

 顧客流出に歯止めをかけるのに懸命なスプリントを尻目に、ライバルはサービスの高度化を競う。Tモバイルは一部の利用者を対象に動画をいくら視聴しても追加のデータ通信料を徴収しない仕組みを導入。首位のベライゾン・コミュニケーションズや2位のAT&Tも追随した。上位2社は次世代の高速通信網「第5世代(5G)」の実証実験も年内に始める計画だ。経営再建中のスプリントは次世代分野で大胆な試みをできずにいる。



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