ゼミナール 米国の強さと課題(3) いくつもの「大国」の顔 2015/06/22 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済教室面にある「ゼミナール 米国の強さと課題(3) いくつもの「大国」の顔」です。





 「世界の工場はどこか」と問われれば、多くの人は中国と答えるだろう。だが実は、米国こそ世界一の工業国、モノづくり大国である。国連によれば、2013年に米国の製造業が生み出した付加価値額(MVA)は05年を基準とした実質値で1.7兆ドルにのぼり、世界シェアは2割近くを占める。中国は1.6兆ドルで、米国に次ぐ2番手である。その後には、日本、ドイツが続く。

 米国は世界最大の農産品輸出国でもある。国連によれば12年の世界輸出シェアは10%を超え、6%前後で続くオランダ、ブラジル、ドイツなどを大きく引き離している。現在進められている環太平洋経済連携協定(TPP)交渉では、米国はこうした農業大国としての顔を見せる。

 資源大国、金融大国など、米国はほかにも複数の大国の顔を持つ。

 19世紀半ば、現在のカリフォルニアでは金の採掘ブーム(ゴールド・ラッシュ)が起きた。現在も米国は、金の生産量では中国、オーストラリアに次ぐ規模を誇る。

 近年、米国はサウジアラビアやロシアを抜いて世界最大の産油国となった。シェールと呼ばれる地層に含まれる原油の生産が急増したためだ。不満を抱いた石油輸出国機構(OPEC)は昨秋、世界の原油市場の需給調整役を放棄し、原油価格の暴落につながった。

 米国が金融大国であることは多くの人が知っていよう。世界を揺るがせた08年のリーマン・ショックの傷は、大卒者の低賃金雇用といった形でいまだに残る。その一方で、すでに株式市場や債券市場では新たなバブルの芽生えすらみられる。

(みずほ総合研究所)

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