ゼミナール 米国の強さと課題(4) 起業と革新、曲がり角 2015/06/23 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済教室面にある「ゼミナール 米国の強さと課題(4) 起業と革新、曲がり角」です。





 「起業家精神」と「技術革新」は米国を特徴づける重要なキーワードだ。リスクをいとわない起業家精神とそれを尊重する環境が整って初めて、産業や社会を大きく変える技術革新の芽が育つ。

 起業家精神の原点はどこにあるのか。米国のベンチャーキャピタルについて米国務省が作成したパンフレットで、レモネード・スタンドの写真に添えてヒントが書かれている。「両親から“ベンチャーキャピタル”としての資金援助を受けたレモネード・スタンドは、米国の多くの子供たちが最初に経験する資本市場だ」。道行く人に手作りのレモネードを売る小遣い稼ぎを通じて、米国の子供たちはビジネスを自然に体験するわけだ。

 両親でない本物のベンチャーキャピタルの投資額は日本の10倍以上だ。宇宙開発すらベンチャービジネスが主導する。

 しかし米国にも不安な材料がある。ブルッキングス研究所のロバート・ライタン氏らによれば、30年にわたって開業率が一貫して低下している。創業、事業拡大、縮小、廃業というダイナミズムの低下は産業・地域の偏りがなく、広範に見られる現象だという。

 企業が多額の現金を抱え込み、技術革新への投資を怠っているという指摘もある。クレイトン・クリステンセン教授(ハーバード・ビジネス・スクール)は、企業が投資に消極的なのは「資本は希少である」との前提に立って事業機会が評価されているためだとの仮説を示している。だが実際は、企業が現金を抱え込んでいる状態は「資本過剰」ともいえる。新たな環境に適合した事業評価の革新が急務のようだ。

(みずほ総合研究所)

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