ゼミナール 米国の強さと課題(5) 投資過少で実質金利低下 2015/06/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済教室面にある「ゼミナール 米国の強さと課題(5) 投資過少で実質金利低下」です。





 米国で企業が資金を抱え込み投資が不足しているという懸念は、経済学者らの注目を集めている。発端は2013年秋のサマーズ元米財務長官の講演で「長期停滞論」として知られている。

 サマーズ氏によれば国内で投資と貯蓄どちらの需要が高いかによって、意思に反する失業がない「完全雇用」が実現するための「実質金利(均衡実質金利)」が決まる。貯蓄が多すぎれば実質金利は下がる。米国は慢性的に貯蓄過剰、裏返せば投資が過少で、長い間、実質金利が大幅なマイナスの可能性があるという。そうした状況では伝統的な金融政策で景気を刺激することは困難で、金融バブルを生むだけと警告する。

 さらに投資には需要と供給の両方に影響を与える「二面性」がある。実質金利の大幅な低下に対処せずに投資不足を放置すればどうなるか。設備投資需要が落ち込んで足元の景気低迷をもたらすだけにとどまらず、資本ストックの蓄積が進まずに供給が制約されて、潜在成長率が下がる。米議会予算局の推計では、投資不足が一因で米国の潜在成長率は鈍化している。

 サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁らの推計でも実質金利は下がっており、ここ数年はゼロ近傍。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は今後の金融政策について、実質金利がゆっくり持ち直すのに合わせて利上げペースを調整するとの考えを示している。

 なぜ実質金利は極めて低いのか。そして必要な処方箋は何か。2つの論点を巡り、サマーズ氏の前に強力な討論相手が登場した。バーナンキ前FRB議長が自身のブログで異を唱えたのである。

(みずほ総合研究所)

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