ゼミナール 米国の強さと課題(6) 長期停滞は国際的問題か 2015/06/25 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済教室面にある「ゼミナール 米国の強さと課題(6) 長期停滞は国際的問題か」です。





 実質金利が米国で大幅に低下し、長期停滞につながっているとみられる原因について、サマーズ元米財務長官とバーナンキ元米連邦準備理事会(FRB)議長の意見は異なる。バーナンキ氏の整理に従うと、対立軸は「政策選択の結果によるものなのか否か」「国内的問題か国際的問題か」の2点だ。

 サマーズ氏は、人口の伸びの鈍化、借り入れが必要な投資需要の減少、資本財や耐久消費財の相対価格の低下、所得分配の変化など、米国経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)の変化によって過剰貯蓄・過少投資が生じているとみている。そこで、財政支出によるインフラ投資や輸出促進によって投資不足を補うという処方箋を考える。

 一方、バーナンキ氏は過剰貯蓄・過少投資は世界的な現象で、経常黒字国が政策的に過剰貯蓄(黒字)を生み出そうとしているためだという。

 かつてはアジア新興国や産油国が貯蓄をためこみ、その資金が米国債市場に流れ込んだ。その結果、米国の長期金利が低下し、ドル高が進行、貿易赤字が膨らんだ。現在も構図は同じだが、黒字国がユーロ圏、中でもドイツと南欧に替わったという。

 バーナンキ氏は、黒字国に過剰な貯蓄を減らし投資促進を要請するほか、国際的な資本移動の障害となる政策・制度を見直すことを処方箋に挙げる。国際資本移動が一層円滑になれば、世界の実質金利がならされて、米国だけが極端に低い状況は解消されるはずという考えが背景にある。

 いずれの主張ももっともであり、両者の中間に真の答えがありそうだ。

(みずほ総合研究所)

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