ゼミナール 米国の強さと課題(9) 2つの超大国 並び立つか 2015/06/30 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済教室面にある「ゼミナール 米国の強さと課題(9) 2つの超大国 並び立つか」です。





 超大国としての米国の位置づけが揺れている。中国が台頭し、迫っているためだ。国際通貨基金(IMF)は、2020年の中国の国内総生産(GDP)が世界の16%に達すると予測している。米国(23%)には及ばないが、1990年の2%からは大きな躍進である。

 両国の外交姿勢は、対照的である。オバマ米大統領は「米国は世界の警察官ではない」と明言し「対外関与に消極的」との印象が世界に広まった。中国は、主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に主要な欧州諸国の参加を得るなど、米国中心の秩序を脅かそうとするかのようだ。

 世界の世論は、超大国の交代を意識する。14年に米調査機関のピュー・リサーチ・センターが20カ国で行った世論調査では「中国が米国の超大国の座に取って代わる」「すでに取って代わった」との回答が「取って代わらない」との回答を計20%近く上回った。両者が拮抗した08年と比べると米中逆転は、世界の共通認識になりつつある。

 米国の対中観は割れている。米外交問題評議会が15年3月に発表した報告書は「中国の成功は米国の国益を損なう」として、アジア地域で「意識的に中国を除外した」貿易協定を結ぶなど、断固とした対応を求めた。一方で、同年5月には、ルービン、ポールソンという2人の元財務長官が、米中の協力こそが「世界の様々な難問を解決する最大の希望である」として、両国の共存共栄を呼びかけた。

 2つの超大国は、並び立つのか。米国のみならず、世界にとって大きな問いかけだ。

(みずほ総合研究所)



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