トランプショック 世界の行方を聞く アジア安保と保護主 義憂慮元シンガポール駐米大使 トミー・コー氏 2016/12/19 本日 の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「トランプショック 世界の行方を聞く アジア安保と保護主義憂慮元シンガポール駐米大使 トミー・コー氏」です。





 トランプ次期米大統領は、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を明言する一方、中国に対しては圧力をかける姿勢をみせている。アジアを中心に貿易自由化や安全保障への影響を識者に聞いた。

 ――トランプ氏勝利をどう受け止めましたか。

 「アジアは心配している。米国の政策がどこに向かうか判断できない。シンガポールには新大統領とのパイプはない。各国共通の難題だ。世界は未知の領域に入った」

 ――アジア各国が最も憂慮する点は何ですか。

 「トランプ氏の真意がわからないことだ。なかでも大きな懸念は2つある。1つはアジア太平洋の安全保障への影響だ。米国が日本や韓国と結んだ同盟関係を維持できるかどうかは極めて重要だ。日韓との同盟は域内全体の安定に大きな意味を持つ。トランプ氏はこの重要性を理解しているのだろうか」

 「もう1つが保護主義の台頭だ。環太平洋経済連携協定(TPP)が発効する可能性は低い。TPPは単なる貿易の枠組みではない。米国がアジアとの関係を深め、アジアが米国と連携を強めるために欠かせない枠組みだ。トランプ氏が打ち出す具体的な通商政策を注意深く見守る必要がある」

 ――米中関係はどうなりますか。

 「中国国内では『(民主党候補だった)ヒラリー・クリントン氏よりくみしやすい』との声もあった。中国はビジネスマンの扱いにたけているからだ。だがトランプ氏の対中政策の行方は予測できていない。中国も焦りを感じているはずだ」

 ――アジアでも「トランプ現象」が起きる可能性はありますか。

 「グローバリゼーションには勝者と敗者がつきものだ。シンガポールも同じ難題に直面する。トランプ氏は敗者に寄り添って勝った。だが保護主義を強めれば国の競争力は落ちるだけだ。敗者をすくい上げる政策が必要だ。トランプ氏の勝利から学ぶことは少なくない」

(聞き手はシンガポール=吉田渉)

 Tommy Koh リー・クアンユー初代首相下で国連大使に就任し、駐米大使なども歴任した。現在は無任所大使としてシンガポール外交に影響力を持つ。



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