トランプショック 世界の行方を聞く 米長期金利、5年で 6%もダブルライン・キャピタルCEO ジェフリー・ガンドラック氏 2016/12/ 15 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「トランプショック 世界の行方を聞く 米長期金利、5年で6%もダブルライン・キャピタルCEO ジェフリー・ガンドラック氏」です。





 ――昨年夏から一貫してトランプ大統領の誕生を唱えていました。

 「世界的な趨勢と同様に米国社会でも既存秩序への不満が高まっていた。ポピュリズム(大衆迎合)に傾く機運は容易に止められない」

 「1972年からすべての米大統領を正しく予測してきた。コツは、まず『絶対に勝てない候補』を除外すること。民主党候補になったヒラリー・クリントン氏がまさにそれだった。彼女は8年前にすでにオバマ大統領に大敗した。今回の予想は案外簡単だった」

個人消費低迷へ

 ――トランプ氏当選後の株高は想定外でした。

 「『トランプ・ラリー(相場上昇)』はもうすぐ終息するだろう。次期政権の財政拡大路線が、米景気や株式相場に追い風になるという都合の良い解釈に市場は転じたわけだが、現実には財政支出の効果が表れるのは当分先の話だからだ。投資家は幻滅し市場の一進一退が続くだろう」

 ――当面の米景気は。

 「2つの逆風にさらされる。1つ目は個人消費だ。トランプ支持者は高揚感に浸っているが、彼らの大半が中低所得層なので使う金がない。逆に富裕層の多い反トランプ派は、強烈なショックを受け、国の将来に悲観的になっている。消費を増やす雰囲気ではない」

 「2つ目は金利だ。長期金利は今夏から1%も上昇している。もともと割高な住宅相場に真っ先に悪影響を及ぼす。財政悪化を踏まえると今後5年で米10年債利回りは6%まで上昇するだろう」

 ――米連邦準備理事会(FRB)の対応は。

 「足元では株価も高く、物価上昇圧力も強まっている。失業率も低い。だから14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、高い確率で利上げに踏み切るだろう」

 「ただしそこから先は別の話だ。トランプ政権の発足当初は景気が期待外れとなり、経済指標は弱含む可能性が高い。FRBは連続利上げに慎重になり、来年1~3月期は様子を見ると見込む」

金融株が有望

 ――新政権下で有望な投資対象は。

 「代表例は金融株だ。オバマ政権下の一連の金融規制の見直しが想定される。さらに長期金利の上昇に伴い、銀行の利益に直結する長短金利差の拡大が期待できる」

 「(長短金利を押し下げる日欧のマイナス金利政策で)金融機関の収益に打撃を与えれば、実体景気は良くならないことがはっきりした。欧州では長期金利がプラス圏に浮上し最悪期を脱した。日本もそうすべきだ。(マイナス金利を適用されていない)米金融株は今後1~2年で2倍になっても不思議でない」

(聞き手は編集委員 佐藤大和)

=随時掲載

 Jeffrey Gundlach 米ダートマス大卒、エール大院は中退し、ロックバンド活動に。2009年創業したダブルラインの運用資産は1千億ドルを超え「新債券王」の異名も。57歳。



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