トランプ氏、通商で手綱 政権新組織 トップに「反中」学 者 2016/12/23 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「トランプ氏、通商で手綱 政権新組織 トップに「反中」学者」です。





 【ワシントン=河浪武史】トランプ次期米政権の通商政策は、大統領主導で進みそうだ。21日には、通商政策の司令塔になる「国家通商会議」の創設を発表。中国を批判するピーター・ナバロ米カリフォルニア大教授をトップに指名した。トランプ氏は大統領選で米国内の仕事を大幅に増やすと公約し、逆転勝利した。対中貿易の不均衡是正など具体的な成果をあげるため、通商政策の陣立てを組み替える構えだ。

 「中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した2001年以降、我々は7万カ所もの製造拠点を失った」

 トランプ氏は選挙後に全米各地を回り、こう繰り返した。大統領選では「中国を為替操作国に指定する。同国製品には45%の関税を課す」と対中強硬策を訴えた。いずれもナバロ氏が知恵を付けた。「ピーターの本を読んで感銘を受けた」とトランプ氏。

 「中国製」と刻まれたナイフが米国本土を刺し血が流れる――。そんなアニメ映像から始まるドキュメンタリー映画「Death by China(中国がもたらす死)」を監督したのもナバロ氏だ。安価な中国製品が米国に大量に流入し、国内の雇用を脅かしていると訴えた。

 異色の学者を司令塔とするトランプ次期政権の通商政策は「反・中国」を強めそうだ。米国製品の対中貿易赤字は15年に過去最悪の3674億ドル(約43兆円)となり、中国のWTO加盟前の00年比で4倍強に膨らんだ。

 トランプ氏は政府組織の組み替えを検討している。国家通商会議を通商政策の司令塔としたうえで、米通商代表部(USTR)や商務省に実際の通商交渉を委ねる案だ。USTRは中国などとの貿易不均衡の是正に集中させる。自由貿易協定(FTA)の所管をUSTRから米国製品の輸出促進を担当する商務省に移す案もある。

 1993年発足のクリントン政権は、国家経済会議(NEC)を新設。経済政策全般の司令塔にした。当時は冷戦が終わり、米経済の再生が大きな課題だった。トランプ氏はNECを残しつつ、国家通商会議を新たにつくり、最優先の課題の一つとする対中貿易不均衡などに取り組む。

 USTR代表の候補に急浮上しているのが、80年代にレーガン政権下で同次席代表を務めたロバート・ライトハイザー氏。日米鉄鋼協議の交渉役として輸出の自主規制を日本側にのませた。すでにトランプ氏に会った。駐日大使は、オバマ政権で中国大使を務め、前ブッシュ政権でUSTR次席代表だったジョン・ハンツマン氏が浮上している。

 中国外務省の華春瑩副報道局長は22日の記者会見で「米中協力こそが唯一の正しい選択だ。米国と共に経済貿易の健全かつ安定した発展を守りたい」と述べ、協調を呼びかけた。



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