ニッポン株式会社再び最高益へ(上) 中国復調・資源高・円高一 服 外からの追い風、危うさも 2017/2/23 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の第一面にある「ニッポン株式会社再び最高益へ(上) 中国復調・資源高・円高一服 外からの追い風、危うさも」です。





 ニッポン株式会社の業績が未踏の領域に踏み込もうとしている。上場企業の2017年3月期の純利益は前期比約1割増え、2期ぶりに最高益を更新する。新興国景気の底入れで資源価格が回復し、円高の逆風も弱まってきたためだ。とはいえ、海外では「トランプリスク」、国内では人手不足・少子高齢化と難題が立ちはだかり、先行きは不確実性が強い。

■原料炭3倍以上に

 「これほどの水準への値上がりは想定外だった」。三菱商事の増一行最高財務責任者は驚きを隠さない。前期は一時1トンあたり80ドルを割っていた原料炭が、300ドルと5年ぶりの高値圏へと急上昇したことだ。

 原油なども含めて資源価格は幅広く回復。前期は赤字だった最終損益は今期、約5900億円も改善して4400億円の黒字に浮上する。大手商社5社合計だと資源部門の改善幅が1兆円を超える可能性がある。

 米景気回復に目を奪われがちだが、実は新興国経済が原動力となっている。中国では秋の党大会に向けて「公共投資で景気テコ入れを進めている」(みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミスト)。この結果、資源需要だけでなく消費なども盛り上がってきた。

 「今後も強い受注が続きそうだ」。東京エレクトロンの河合利樹社長は笑いが止まらない様子だ。16年10~12月期に半導体製造装置の受注額が約10年ぶりに最高記録を塗り替えたのだ。

 背景にはやはり中国がある。世界で約15億台のスマートフォン販売の3分の1を占める中国。億台単位の需要は今年さらに3%ほど伸びるとの見方がある。高性能化で搭載する半導体も増え、半導体製造装置はつくるはしから売れていく。

 ヤマハでは中国の農村部でもピアノが売れるようになり、今期は13年ぶりの利益水準をめざす。コマツは中国での建機の稼働時間が昨年2月から増加に転じた。「(建機を新規に購入する)需要も強含み」(稲垣泰弘常務執行役員)だ。

 円高にブレーキがかかったのも大きい。この影響で「主要約1300社の今期の経常利益は5000億円程度上振れする」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の渡辺篤氏は試算。ホンダは税引き前利益予想を1550億円引き上げた。

■高まる激変リスク

 だが、収益環境の変調リスクはむしろ高まっている。米国では「トランプ政権の保護主義政策が実体経済に影響を及ぼす可能性がある」(ゴールドマン・サックス証券のキャシー・松井氏)。欧州でも保護主義台頭の兆しがあり、英国によるEU(欧州連合)離脱も迫る。中国経済は過剰設備・過剰債務という根の深い問題を抱えたままだ。

 経営者たちの危機感は強い。日立製作所は物流や金融、工具など非中核事業を相次いで切り離す。海外のプラントや原子力関連ビジネスなど「利益率5%未満で改善が見込めない」事業も対象だ。16年10~12月期は円高などで減収となったのにもかかわらず、過去最高の営業利益を記録した。

 資源価格の回復などにわかに強まるグローバルな追い風。居心地の良さに安住せず、自らを鍛え続けられるかどうかが成長持続の条件となる。



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