ビジネスTODAY 三井不動産「円安でも買い」 ロンドンで大型再開発発表 ビル高騰、街づくりで稼ぐ 2015/06/06 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業総合面にある「ビジネスTODAY 三井不動産「円安でも買い」 ロンドンで大型再開発発表 ビル高騰、街づくりで稼ぐ」です。

三井不動産がどこに勝算を見出しているのか、いまいち捉えにくい記事ですが、ニューヨークに続き、ロンドンでも開発を進めようとしており、三井不動産の戦略に注目が集まります。





 三井不動産は5日、ロンドンで大規模再開発事業を始めると発表した。総事業費は20億5千万ポンド(約4千億円)と、国内不動産会社の海外案件で最大になる。海外では既存ビルを買収するケースが多かったが、広い土地を取得して街づくりに踏み出す。円安局面での巨額投資は一見不思議に思えるが、そこには海外事業に成長を託す同社のしたたかな計算がある。

 土地は英国放送協会(BBC)から取得した。近隣で三井不動産が進める再開発計画と合わせた敷地面積は12万5千平方メートル(東京ドーム2.6個分)。オフィス、ホテル、住宅などを新設・改修する計画だ。2017年以降に順次完成させる。

 これまで海外不動産への巨額投資といえば円高局面だった。プラザ合意後の1989年に三菱地所がニューヨークのロックフェラーセンターを買収したのが代表例だ。

 だが今は円安。日本企業には負担が余計に膨らむことになりかねない。出資先の英不動産開発大手との共同事業とはいえ、4千億円は三井不動産の海外投資額の約2年分に相当する。同社はまず、為替相場の影響を受けないように投資資金は現地で調達する方針だ。だが「今が買い時」と判断した理由は別にある。

 ロンドン中心部のオフィス価格はこの5年ほどで7割上昇。12年のロンドン五輪以降、海外マネーが大量流入した。米不動産サービスのジョーンズラングラサールのデイビッド・グリーン・モーガン調査部長は「一部にはバブル懸念も浮上している」といい、ビル買収は「高値づかみになる恐れ」(三井不動産幹部)が出てきた。

 とはいえ、少子化などで国内市場は縮小が見込まれ、海外事業拡大は欠かせない。どうするか。

 今回の再開発地は金融街「シティ」から電車で20分ほどの場所。ロンドンのど真ん中ではなく、地価は比較的安い。日本でノウハウを積んだ「職・住・商」などの機能を併せ持つ街をつくり、エリア全体の価値を高めて稼ぐ方が不動産市況に頼るよりも堅実だ。テナントの多様化は空室リスクを低減する利点もある。

 しかも周辺では大学の新キャンパスや商業施設の増床計画もある。ロンドン市の開発促進地域に指定されており、にぎわいづくりには格好だ。

 三井不動産には今後、海外で複合再開発を提案していく際に紹介できるモデル街区をつくっておきたいとの思惑もある。

 欧州では景観問題などから建物の高さ規制が厳しく、低層ビルを水平展開する必要がある。超高層ビルに様々な機能を詰め込む日本の垂直型ではイメージしにくい。

 三井不動産は最新の省エネ技術や再生可能エネルギーの活用にも積極的だ。千葉県でスマートシティーを開発している。欧州は環境意識が高い。目玉として今回の再開発に生かす可能性もある。

 再開発はビルを買うのとは違って長丁場だ。地域との調和や施設・テナントの管理など手間もかかる。海外でもデベロッパーとして力量を示せるか。ロンドンが試金石になる。

(岩本圭剛)

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