ビジネスTODAY 星野リゾート、ナニワに挑む 空白地に大規 模ホテル 2017/4/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業面にある「ビジネスTODAY 星野リゾート、ナニワに挑む 空白地に大規模ホテル」です。





 星野リゾートは大阪に初進出する。同社として2番目に多い608室の大規模ホテルを建設、都市型の観光ホテル事業に乗り出す。しかし、ホテルが建つ場所は大阪・ミナミの中心部にありながら30年以上塩漬けになっている土地。デフレ経済のあおりで廃業に追い込まれた旅館やホテルを数多く再生してきた「星野マジック」はナニワでも開花するのか。

国内外からの都市観光客を取り込めるホテルとする(イメージ)

 「課題があるからこそチャンスがある」。24日の会見で星野佳路代表は意気込んだ。2022年開業のホテルはJR新今宮駅の目の前に建設する。近くに通天閣やあべのハルカスといった名所が広がる。一方で、あいりん地区もあり、日雇い労働者の姿も目立つ「大阪ならではのディープな土地」(星野代表)だ。

 隣接地には都心活性化を目的に大阪市が主導して遊園地や商業施設、映画館などが集積する「フェスティバルゲート」が1997年にオープンした。しかし、10年も持たずに閉鎖に追い込まれた。今回大阪市が売りに出したが、買い手は星野リゾートのみ。落札額も18億円足らずだった。

 今後、星野リゾートは駅からホテルにつながる敷地に庭園を造成、「これまでの風景を変える」(星野代表)。客室は30平方メートル以上に設定。低価格にこだわるビジネス客はターゲットから外し都市型ホテルチェーンとは一線を画す。訪日客など観光客に絞り込み接客の質は保ちつつ、料金は旗艦ブランド「星のや」より抑える戦略だ。

 ライバルが尻込みする土地にあえて進出するのは「まだまだ観光需要を取り込めていない」との星野代表の思いがあるからだ。同社の主力である地方型高級リゾート事業は一般的に季節や景気の変動で収益がなかなか安定しない難点がある。こうしたなかで、星野リゾートの16年度の取扱高は15年度比19億円増と健闘するが、将来に向けた安定的な収益構造を確立するには収支のぶれの小さい都市型ホテル事業を取り込む必要がある。

 特に大阪は民泊の利用率も高く、海外からの訪日客は日雇い労働者が多く利用する簡易宿所にも抵抗なく泊まる。大阪府内を訪れる訪日客は12年の203万人から16年には941万人まで増加。宿泊施設の稼働率は3年連続で全国一だ。関西国際空港への地の利もある今回の物件は星野代表にとっては「まだまだポテンシャルがある土地」と映る。

 2年前に金沢市などにある4つの「ANAクラウンプラザホテル」を約400億円で取得。4月にも旭川グランドホテル(北海道旭川市)の運営を始めた。都市型ホテルのマネジメントに関する知見を蓄積してきた自信ものぞく。誰も手をつけなかった大阪の地に「新世界」を築けるか。地方のリゾート開発・再生の風雲児の新たな挑戦が始まった。(清水孝輔、川崎なつ美)



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