フィリピン外相「南シナ海議題に」 来年ASEANで、経済連携 を加速 2016/12/29 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「フィリピン外相「南シナ海議題に」 来年ASEANで、経済連携を加速」です。





 【マニラ=遠藤淳】フィリピンのヤサイ外相は28日、日本経済新聞と単独会見した。2017年に議長国を務める東南アジア諸国連合(ASEAN)の関連会議の議題として、中国と領有権を争う南シナ海問題は「避けて通れない」と言明。発効が困難になった環太平洋経済連携協定(TPP)に代わり、多国間の自由貿易の枠組みと注目される東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の議論を加速する考えも示した。

インタビューに答えるフィリピンのヤサイ外相(28日、マニラ)

 ――17年のASEANで南シナ海問題をどう取り扱いますか。

 「中国との間に横たわる同問題は、ASEAN加盟国が常に取り上げる関心事項であり、避けては通れない。来年も議題とするよう声が上がるだろうし、我々からもそう呼びかけたい。(中国とASEANの)相互の利益を追求することが問題の解決につながるということを示したい」

 「ラオスで9月に開催したASEAN首脳会議で声明を出し、挑発的な行動をとらず、国際海洋法条約など国際法の原則に基づき、紛争を平和的に解決することで一致している。これを確実なものにしたい。中国とは02年に『南シナ海行動宣言』に調印しており、できるだけ早く(法的な拘束力を伴う)行動規範の枠組みをつくりたい」

 ――ドゥテルテ大統領は中国の習近平国家主席との首脳会談で、南シナ海問題を2国間で話し合うことに合意しました。

 「我が国が中国と抱える個別の問題は(ASEANとは)別の話だ。国際的な仲裁裁判所で認められた我が国の権利について妥協するつもりはなく、中国との間ですぐに解決策は見つからない。だから今は議論をせず、まず貿易や投資、インフラ開発、人的交流などを推進することで中国と合意した。関係が深まれば南シナ海問題を議論する土壌ができるだろう」

 「実際、中国が海上での妨害行為をやめたため、比漁民は南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)での操業を再開できた。付近に軍事施設を建設するといった、緊張を高める行為はしないとも約束した。中国が(南沙諸島に)防空設備を配備したと伝えられたことは懸念しており、地域の平和と安定を守るよう改めて中国に確認したい」

 「中国を信用できず、フィリピンでは(対等に)話し合えないから米国に頼るべきだ、というのは古い考え。我が国は自立した外交を進めたい」

 ――トランプ次期米大統領が離脱を明言し、発効が見通せなくなったTPPの代替策として、RCEPへの関心が急速に高まっています。

 「ASEAN加盟国の中では特にマレーシアやインドネシア、ブルネイが高い関心を寄せている。一連の会議でも議題に取り上げ、活発に議論していきたい」

 ――ミャンマーではイスラム系少数民族「ロヒンギャ」に対する人権侵害が懸念されています。

 「ミャンマーでこのほど開かれたASEAN非公式外相会議では、ロヒンギャの問題はミャンマーの国内問題だということを全会一致で確認した。国際社会が騒ぎ立てるような人権問題とは考えていない。ただし人道的支援が必要であれば、いつでも手をさしのべる用意がある。来年も議題とするよう加盟国から求められれば、対応したい」

 ペルフェクト・ヤサイ氏(Perfecto R. Yasay) ドゥテルテ大統領の地元である南部のミンダナオ島ダバオ市の高校に通い、大学時代は大統領と同じ寮で学生生活を送った。弁護士などを経て、外相に就任する以前は米国の大学で法律を教えていた。ドゥテルテ氏の暴言の真意をくみ、穏当な表現に言い換えるといった「女房役」を担う。69歳。



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