フィンテックの衝撃(3)低コスト・合理性が武器 投資、指南役はロボ 2015/10/28 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の1面にある「フィンテックの衝撃(3)低コスト・合理性が武器 投資、指南役はロボ」です。





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推奨投信を即答

 自己資金の運用に迷った都内勤務の弁護士、平岩正さん(38、仮名)は昨年末、資産運用アドバイザーの助言を仰いだ。矢継ぎ早の質問に答え終わると、相手は「最適の資産配分は先進国株2割、新興国株1%、原油8%……」と即答。平岩さんは推薦された低手数料の上場投資信託(ETF)に3千万円を投じた。

 銀行や証券会社でよくある風景のように見えるが、大きな違いがある。指南役はヒトではなく、「ロボ・アドバイザー」と呼ばれる自動プログラムなのだ。

 投資顧問会社「お金のデザイン」(東京・港)が独自開発したプログラムは、8つほどの質問に答えると、国内外の株式や債券、原油や金までを含む資産配分を提示。世界中の6千近くのETFから30~40の推奨ファンドを選び出す。

 実験的にみえるこのサービス、実は米国ではすでに普及期に入りつつある。

 「力強いスタートを切った」。米ネット証券大手チャールズ・シュワブのウォルト・ベッティンガー最高経営責任者は7月中旬の決算発表で胸を張った。3月に手数料無料のロボ・アドバイザーを投入し、わずか3カ月で30億ドル(約3600億円)を集めた。米国全体の市場規模は昨年末で推定200億ドル程度。経営コンサルティングのA・T・カーニーは2020年に2.2兆ドルになると見込む。

ヒト臭さ「不要」

 投資家のニーズを対面営業でくみ取り、預かった資金を運用のプロが殖やす。ヒト臭い既存のビジネスモデルを、フィンテックはあっさり覆す。米国ではロボットがこの分野の職を奪うと脅威論もささやかれる。

 「金融機関の担当者より『アルゴリズム(計算技術)』の方が信じられるわ」

 100万ドル(約1億2千万円)以上の個人資産を運用するサンフランシスコ在住の資産家ミシェル・サンマルティンさん(46)は1年ほど前、資産運用ベンチャーの米シグフィグが提供する人工知能を使った運用サービスに乗り換えた。年間コストは500ドルと従来利用していた証券会社の18分の1だが、運用成績は見劣りしない。「既存サービスは高いだけで情報提供も貧弱。ロボットで十分よ」

 日本にもこの波は及ぶ。そう信じて動く先駆者の一人が柴山和久さん(37)だ。9年間の財務省勤務を経て外資コンサルティング会社に転じ、今年4月に自ら「ウェルスナビ」を起業した。低コストのETFと自動運用を組み合わせたサービスを年明けに始める。コンサル時代、米国で資産運用ビジネスにかかわった柴山さんの目には、日本の現状は「手数料が高く、高リスクの商品に偏っている。適切なサービスがあれば、それは変えられる」と映る。

 低コストを武器に超合理的な投資手法が広がれば、資産運用ビジネスのあり方だけでなく、投資マネーの流れも大きく変わる。



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