ベネズエラ経済、泥沼に 年間インフレ率2600%超原油生産 低調中ロ頼みも限界 2018/1/11 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「ベネズエラ経済、泥沼に 年間インフレ率2600%超原油生産低調中ロ頼みも限界」です。





 【サンパウロ=外山尚之】南米の産油国ベネズエラの経済混迷が深まっている。2017年の消費者物価指数の上昇率(インフレ率)は2600%超に達した。同国の命綱である原油の価格は約3年ぶりの高値をつけるが、設備不良で原油生産はむしろ落ち込んでいる。独裁姿勢を強めることで政情不安を抑え込んだマドゥロ政権だが、泥沼に陥った経済は深刻さを増している。

経済混乱が続くベネズエラでは、薬局でも品不足が深刻な状況だ(カラカス)=共同

 野党議員が多数を占める議会は17年のインフレ率について、2616%だったと発表した。ベネズエラでは、政権がばらまき政策や無理な価格統制などを続けたことで国内の製造業が衰退。モノ不足が深刻となり、物価の急激な上昇が続いている。

 頼みの原油も、価格が回復してきたにもかかわらず、経済の混乱の影響で生産が追いつかない状況だ。17年12月の原油生産量は1日あたり170万バレルと前年実績を2割以上下回り、過去30年で最低水準に落ち込む。生産設備への投資が滞り、トラブルが相次いでいるためだ。

 マドゥロ大統領は5日、1単位あたり原油1バレルの価値を持つ独自の仮想通貨「ペトロ」1億単位分の発行を命じた。原油採掘が不調な中、世界的な仮想通貨のブームに便乗した形だが、政府の信用力に疑問符がついており、事態打開につながる可能性は低い。

 米格付け大手S&Pグローバルは9日、20年に償還を迎える国債についてデフォルト(債務不履行)状態にあると認定した。8日を期限としていた4500万ドル(約50億円)の利払いが履行されなかったため、同債券の格付けを債務不履行を示す「D」とした。S&Pは既にベネズエラの外貨建て長期国債格付けについて一部の債務を履行しない「選択的デフォルト」としており、利払いの遅延が常態化している。

 17年11月に政府が対外債務の再編を宣言して以来、利払いの遅延でベネズエラ国債はデフォルトが相次ぐ。政府がデフォルトを認めておらず、将来的に払う意志を見せているため海外資産の差し押さえは避けられているものの、4月には国債や国営企業の社債の大規模返済が控えており、予断を許さない状況が続く。

 経済混乱の被害を受けるのは国民だ。外貨獲得手段である原油生産が振るわない中、食品や医薬品の輸入もままならない状態が続く。かつて根絶したマラリアの伝染例が爆発的に増加するなど、劣悪な衛生状態による死者も急増している。

 マドゥロ政権は苦境を米国の経済制裁のせいだと主張。ロシアや中国に助けを求めるが、両国とも推定1300億ドルという債務規模の大きさから、抜本的な解決策をみつけられてはいない。

 マドゥロ政権は政治的には権力基盤を着々と固めている。野党の有力政治家を弾圧により次々と失脚させたほか、与党内で政権に異を唱える有力者も汚職疑惑に絡めて排除。選挙での票の操作も疑われる中、年内に予定される大統領選での再選が確実視されており、政権交代による状況の改善は期待できそうもない。



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