ホテルと作る旅の思い出 2018/05/14 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「ホテルと作る旅の思い出」です。





都市型ホテルでの一風変わった体験ができるサービスが人気だ。ホテルスタッフと街歩きをしたり、生け花やせんべいづくりを楽しんだり――。特別な体験を重視する「コト消費」が人気を集めるなか、ホテルで定番の豪華な食事や併設するプールやジムでの運動といった過ごし方では飽き足らない利用者が増えている。ホテル各社は特別感やお得感を感じてもらえるよう企画に知恵を絞る。

(画像:ホテルオークラ東京ではテーブルマナー講習を受けながら会席料理を味わえる)

9日夕、東京都豊島区のJR大塚駅近くの路地裏で数人が談笑していた。星野リゾート(長野県軽井沢町)が駅前に開いた都市型ホテル「OMO5(おもふぁいぶ)東京大塚」の宿泊者たちで、ホテルスタッフの野部洋平さん(31)がポロシャツ姿で案内した。

(画像:星野リゾートの「OMO」は街歩きや酒場巡りにホテルスタッフが同行する)

近所の和菓子店や都電荒川線沿いの花、東京スカイツリーを望める橋などを約1時間で巡った。妻、娘と参加した区内在住の中村洋さん(42)は「地元でも知らない発見が多かった」と満足げだ。

(画像:京王プラザホテルのいけばな体験講座は誰でも参加できる)

「ご近所専隊OMOレンジャー」と名乗るスタッフが同行し、ガイド本にない街の魅力を伝えるサービス「Go―KINJO(ゴーキンジョ)」の一コマだ。

今回の「散歩」コースは料金がかからない。このほか2時間あたり1人1千円(飲食代など除く)で「はしご酒」「昭和レトログルメ」「大塚のニューグルメ」「ナイトカルチャー」の4コースを用意。名物スナックなどを案内する。

開業初日の9日から複数のコースに予約が入り、出足は好調だ。星野リゾートの星野佳路代表は「寝るだけでなく旅のテンションを上げるホテルにしたい」と強調する。北海道旭川市に4月に開いた「OMO7(おもせぶん)旭川」でもサービスを提供している。

日本文化の体験に力を入れるのは京王プラザホテル(東京・新宿)。昨夏からいけばな体験講座を月2回開いている。宿泊者でなくても参加でき、45分間で1人1回あたり3千円だ。

東京都杉並区の会社役員、川村寿子さん(68)は4月下旬、外国人4人と一緒にハナショウブやガーベラ、菊を生けた。華道家の前野博紀さん(48)が「小さくまとまっているがきれい。型ができてきたので型を破っていく時ですね」と助言。前野さんは歴史上の逸話も交えて指導する。

「無心になれる時間がほしい」と毎月参加する川村さんは「花を生かす部分と切る部分を考えるのは経営にも通じる」と話す。

定員は6人で「日本人と外国人の両方から人気が高い」(営業戦略室の小田力氏)。館内の茶室では1人1回(30分)2千円で茶道体験も提供している。

マナーを学びながら料理を味わえる企画も多様化している。ホテルオークラ東京(東京・港)は館内の「和食・天ぷら『山里』」で、予約が集まる度に催す「和食テーブルマナー講習」を始めた。

会席料理を味わいながら、日本ホテル・レストランサービス技能協会が認定するテーブルマナー講師の資格保有者が作法などを教える。1日1組(4人から)限定で昼食時に約2時間半開催。料金は1人1万2千円で、毎月2~3組の問い合わせが入る。フランス料理や中華料理のマナー講座もある。

ホテル椿山荘東京(東京・文京)は近くの商店街での手焼きせんべいづくり体験を昨秋から宿泊者に提供。平日限定で、1人2時間で4千円だ。専用車で送迎もする。訪日外国人の参加を想定していたが、「意外にも日本人の問い合わせが多かった」(真田あゆみマーケティング課長)。

都心部を中心に外資系ホテルの進出が相次いでいるほか、民泊を含めた安価な宿泊施設も急増している。ここにきて都市型ホテルも厳しい競争にさらされ始めており、体験型サービスの充実で差別化を図ろうとしている。

(大林広樹)



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