ホテル稼働率上昇一服 16年、東阪で前年下回る 2017/2/17 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業面にある「ホテル稼働率上昇一服 16年、東阪で前年下回る」です。





 東京と大阪の主要ホテルの客室稼働率の上昇に一服感が見られる。2016年の平均は東京が83%、大阪は89%といずれも前年を下回った。年間の訪日外国人客数は過去最高を更新したが、一方でホテルの新設ラッシュや「民泊」など他の宿泊施設の増加で供給余力が高まったことが背景にあるとみられる。

 日本経済新聞社がまとめた16年の東京都内の主要18ホテルの平均客室稼働率は83.0%と前年比1.5ポイント低下した。18ホテル中13ホテルが15年の水準を下回った。15年は14年比プラスだった。

 パレスホテル東京(東京・千代田)は客室単価を年平均で5千円程度引き上げ、客層を絞ることでホテル全体に快適性を持たせる戦略を取った。渡部勝総支配人は「サービスの質を重視した」と話す。高い料金でも泊まる欧米ビジネス客を取り込むことには成功したが、客室稼働率は83.2%と0.7ポイント下がった。

 帝国ホテル(東京・千代田)も76.2%で1.8ポイント低下。夏の観光シーズンに日本から海外に出かける旅行者の増加が影響しているという。

 大阪市内の主要12ホテルの平均の客室稼働率は89.1%と15年比1.3ポイント下がった。前年割れは5年ぶりだ。

 帝国ホテル大阪は法人向けの報奨旅行は堅調だったがレジャー需要が減り、16年は82.2%と3.8ポイント低下した。シェラトン都ホテル大阪は改修工事の影響もあったが、稼働率は9割前後で前年より5ポイント程度下がった。「訪日客による宿泊需要が過熱した15年の水準で料金を設定したが団体客が振るわなかった」という。レジャー客の割合が高い大阪では、訪日団体客の減少を個人客で補えなかったことも影響したもようだ。

 16年の東阪主要ホテルの客室稼働率は80%を超すなど、水準そのものは依然高い。ただ上昇に一服感が見られる要因として、ビジネスホテルの新設ラッシュなどでホテル全体の供給能力が大幅に高まっていることがまず考えられる。

 国土交通省によると昨年の宿泊業の着工床面積は東京ドーム42個分に相当する約196万平方メートルと前年比2.1倍となった。18年ぶりの高水準だ。主要ホテルが強気の価格設定をしたことと相まって、国内外の観光客が格安ホテルに流れているとみられる。

 空き部屋を有料で貸す民泊が、急増する訪日客の受け皿になっていることも考えられる。民泊分析会社のはりうす(東京・渋谷)によると、民泊仲介サイト「エアビーアンドビー」で掲載されている物件数は都内で1万6千超、大阪府内は1万2千超ある。大阪観光局の調査では大阪に来る外国人観光客の57%がホテルに泊まる一方、民泊も17%にのぼる。「民泊の影響が想定以上に大きくなっている」と大阪市内の大手都市ホテル幹部は肩を落とす。

 日本アニメの舞台や映画のロケ地を訪ねる「聖地巡礼」など体験型の「コト消費」が訪日客の間で人気になっていることも、旅行先が地方に分散し東阪ホテルの稼働率が弱含みで推移する背景にあるとの見方もある。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です