ポジション 人民銀、金急落の引き金 6年ぶり公表の保有高、予想の半分に 中国の現物需要鈍化映す 2015/07/25 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「ポジション 人民銀、金急落の引き金 6年ぶり公表の保有高、予想の半分に 中国の現物需要鈍化映す」です。





 金相場が大幅に価格レンジを下げた。米連邦準備理事会(FRB)の利上げが秒読みに入り軟調な展開だったなか、公表された中国人民銀行(中央銀行)の金保有高が市場予想の半分となり期待を裏切った。中国のファンドが大量の売りを出し、ニューヨーク市場で2分間の急落劇を招いた。相場は欧州がギリシャに支援を始めて金ブームが本格化する2010年の水準に戻った。

 国際指標となるニューヨーク先物相場は24日の時間外取引で一時、1トロイオンス1070ドル近くまで下がり、10年2月以来の安値水準になった。直近高値の1月下旬と比べて200ドル以上安い。

 イエレンFRB議長の15日の議会証言で相場の地合いが弱くなった。年内の利上げが視野に入り、投機筋は持っていても金利がつかない金を売りドルにした。

 下げ基調が鮮明になって週末を迎えようとしていた17日、人民銀が突然、6年ぶりに金の保有高を公開した。6月末時点で1658トンだった。

 各国の中銀は随時、保有高を国際通貨基金(IMF)に報告するが、人民銀は09年以降、沈黙してきた。市場関係者らは中国の金の輸入量や国内生産量などから人民銀の保有高を試算し、3千トンは存在するというのが市場の前提になっていた。結果は予想の半分。ICBCスタンダードバンクは「人民銀の保有高はしらけたものだった」とリポートした。

 計算上は少なくとも1千トン以上の金が中国国内で行方不明になっている。貴金属市場を調査するトムソンロイターGFMSは「どこかに金がまだあるはずで、調べることにした」(貴金属需要担当マネジャーのキャメロン・アレキサンダー氏)。

 週明けの20日。上海市場が開くタイミングで大量の売りが出た。時間外取引中だったニューヨーク市場は2分間で1130ドルから1080ドルへ急落。1996年以来となる10日続落になった。

 売ったのは中国のファンド。これまで相場を支配してきたのは欧米系のファンドだった。世界の金先物市場で中国のファンドが初めて存在感を見せつけた。

 人民銀の保有高の低さは、相場の支えといわれてきた中国の現物需要の鈍化を印象づける。習近平政権下で展開される汚職取り締まりの強化や景気減速で宝飾店など店頭での金の売れ行きは伸びない。富裕層も今は金より株に興味を持つ。

 国際相場に対して割高だった上海市場の相場はプレミアムがはがれ落ちている。13年時点は1トロイオンスあたり15ドルほど割高だったが、今年は価格差がない。

 安全資産としての買い材料になったギリシャ不安もいったん後退。近づく米国の利上げは下げ圧力になり金市場から資金は流れ出す。金の上場投資信託(ETF)は代表的なスパイダー(SPDR)ゴールド・シェアの残高が23日時点で685トン。12年12月のピーク時から半減し、6年10カ月ぶりの低水準になった。

 ゴールドマン・サックスは金相場の1000ドル割れもあり得ると予想する。マーケット・アナリストの豊島逸夫氏は「金市場の構造変化が起きている」と話す。



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