ポジション 海外勢 円売り余力大きく? 2013/11/30 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「ポジション 海外勢 円売り余力大きく?」です。





 円相場が5月22日につけた年初来安値の1ドル=103円74銭を更新するか。12月の外国為替市場は円安がどこまで進むかが焦点になってきた。「冬休みに入る海外勢が円売りを11月末で手じまう」といった市場参加者の円安終局シナリオをよそに、円相場は29日も102円台後半と半年ぶりの円安水準を更新した。

 海外ヘッジファンドの多くは11月末以降、冬休みに入る。取引を手じまって、損益を確定してから休むのが通例だ。だが今年は様相が違う。

 今週シンガポールでヘッジファンドなど投資家を訪ねた野村証券の池田雄之輔氏は「冬休み中の円安進行を心配して、円安で稼げる持ち高を組んだまま休み入りしているようだ」と語る。

 円安の「11月終局説」の根拠となっていたのが、積み上がった海外投機筋の円売り。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の投機筋による円の対ドルでの売り越しは2007年7月以来の高水準に膨らんでいる。

 冬休み入り前にヘッジファンドが円売りを手じまうため、円を急速に買い戻す――。市場参加者のこんな心配は杞憂(きゆう)に終わった。

 「海外勢が円売りを続ける余地はまだ大きい」。三菱東京UFJ銀行の内田稔氏は、外国銀行の在日支店と海外本店との間の資金のやりとりを示す「本支店勘定」という指標に注目する。

 日銀が26日公表した9月のデータをみると、外銀在日支店への海外本店からの資金流入残高は10兆円程度。これは円売り・円買いどちらにも「中立的」な水準とされる。

 海外勢が低金利の円を売って高金利外債などに投資する「円キャリー取引」が盛り上がり、120円台まで円安が進んだ07年。本支店勘定の資金流入残高はマイナス約8兆円に達した。外銀の在日支店が低利で調達した円が本国の本店を経由してヘッジファンドの円売り資金に使われたためだった。当時と比べれば、海外勢の円売りはまだ本格化していないというのが実態というわけだ。

 円相場が今とほぼ同水準だった5月も、本支店勘定でみた海外勢の姿勢は円売り方向へ5兆円程度傾いていた。海外勢が5月水準まで再び円売りに傾くだけでも、単純計算で数兆円の円売り圧力が生じる。円の売り手には、心強い味方かもしれない。

(森本学)



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