ポジション REIT、金利動向重荷に 脱却のカギは成長 力 2017/1/14 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合面にある「ポジション REIT、金利動向重荷に 脱却のカギは成長力」です。





 不動産投資信託(REIT)相場の上値が重い。東証REIT指数は今月5日に約5カ月ぶりの高値を付けた後、弱含んでいる。13日も日経平均株価の急回復を横目にREIT指数の上昇は小幅。「トランプ相場」入りを背景に、昨年11月から続く日米金利の上昇懸念が重荷になっている。脱却のカギを握るのは成長力だ。

 「REITはまだ(米金利に振り回される)『トランプ相場』の影響から抜け切れていない」。13日の相場展開をみて、ある国内機関投資家は嘆いた。日米の金利動向に左右される展開が続いており、13日も日本の長期金利が上昇したのが懸念され、東証REIT指数の上昇率は0.2%にとどまった。週間では1.3%の下落と振るわない。

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 金利に左右されるのは日本だけではない。野村証券の荒木智浩氏は「米長期金利の動向が米REITに強く影響している」と指摘する。この傾向が強まったのは昨年11月の米大統領選以降。同時に日米REIT指数の連動性も強まった。米金利が上昇すれば米REITが下落し、日本のREITにも波及する構図だ。

 日本では昨年半ばを境にREIT買いの主役が一変したことも大きい。2016年1~4月の主役は海外投資家。買越額は約2600億円と記録的な高水準だった。日銀のマイナス金利導入でパフォーマンスが株式より優位になるとみた海外勢が飛びついた。

 ところが追加緩和期待がしぼんだ年後半は海外勢が売り越しに転じ、代わりに目立ち始めたのが金融機関などの国内勢だ。昨年5~11月に金融機関は約800億円を買い越した。みずほ証券の大畠陽介氏は「(値上がり益より)配当利回りを重視する地銀が買い意欲を強めている」と話す。これが金利の上下と逆の動きをしやすい原因になっている。

 このまま金利次第の状況は続くのか。市場では金利以外の要因も次第に注目されていくとの見方が案外多い。米REITでは「昨年後半の下落で2%台後半までの米金利上昇は既に織り込まれた」(ドイチェ・アセット・マネジメントの柳原武士氏)という。日本でも「金利上昇が一服すれば配当の成長力に注目が移っていく」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹氏)といった声がある。

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 藤原氏が着目するのは日本のREIT全体の配当増加率。全体の予想配当利回りをもとに計算したもので、16年12月末時点の配当水準は1年前に比べて8%以上高まった。伸び率は過去5年間で最大だ。

 もっとも、配当の原資となる利益成長の大半は既存物件の賃料上昇や借り入れコストの低下。「物件価格が高いので新規取得は慎重にならざるを得ない」(オフィスREITの運用会社)という。

 賃料についても「今後の供給増加を見据え、17年後半以降に東京のオフィス賃料が下落に転じる」(不動産サービス大手のCBRE)との見方が浮上する。頼みの成長力が鈍化するとすれば、金利とにらめっこの現状から抜け出すのは難しそうだ。(菊地毅)



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