マネー再び変調 円一時109円台、原油安と連鎖 米利上げ鈍化が影響 2016/04/06 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合2面にある「マネー再び変調 円一時109円台、原油安と連鎖 米利上げ鈍化が影響」です。





 マネーの流れに再び変調の兆しが出てきた。5日の欧米市場で円相場は一時、1ドル=110円の節目を突破し、日銀が追加金融緩和を決めた2014年10月末以来、約1年5カ月ぶりの高値まで上昇した。米国の利上げペースが遅くなるとの見方や原油安を背景にドルを売って円を買う取引が増加。円高が株安を誘う悪循環が生じている。円高・株安の再燃で投資家はリスク回避の動きを強めている。

日経平均株価は約6週間ぶりに1万6000円を割り込んだ(5日、東京都中央区)

 海外のヘッジファンドとみられる大規模な円買い・ドル売り注文が入り始めたのは欧州市場の取引が活発になる午後3時すぎ。円は110円台前半に上昇し、3月半ばに付けた今年の高値(110円67銭)を突破。その後、日本時間深夜の欧米市場で一気に109円台まで円高が進んだ。

 円高が強まった要因の一つは米利上げ見通しの変化だ。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は3月29日の講演で、新興国経済の減速などを警戒して「利上げは慎重に進める」と発言。FRBは年明け時点で年4回の利上げを見込んでいたが、3月には半分の年2回に引き下げられた。市場では1回にとどまるとの見方も強まっている。

 米金利の大幅な上昇が見込めなくなり、日米の金利差は思ったほど開かないとの観測が浮上。昨年までの金利差拡大を見込んだ円安・ドル高の反動が起きている。

 もう一つの要因が原油安だ。新興国経済の減速などで原油の需要回復が見通せないなかで、17日にカタールで開く主要産油国の協議では増産凍結の合意は難しいとの見方が広がりつつある。

 ニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格は1バレル35ドル台前半と1カ月ぶりの安値を付けた。3月下旬に付けた高値からの下落率は15%に達した。急速な原油安は資源国や資源関連企業に悪影響を及ぼし、投資家心理を冷やす材料になる。5日の東京市場でも原油安とリスク回避の円高が連動する形で進んだ。

 円相場は日銀が追加緩和を実施して以来の水準まで上昇したことで、市場には円売り介入の思惑も出てきた。

 5日夕方に菅義偉官房長官が記者会見で「為替市場の動向を緊張感を持って注視していきたい」と述べると、直後に40銭余り円安方向に振れるなど、神経質な展開になっている。

 市場には円高阻止のために日銀の追加緩和を予想する声もある。ただ日銀が1月末にマイナス金利政策を決めた後に円高が進んだことで「日銀の金融緩和が円安をもたらす構図は崩れた」(三菱東京UFJ銀行の内田稔チーフアナリスト)との見方が浮上。円高に歯止めをかける即効薬にはなりづらい状況だ。



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