ミドル世代、転職の心得 減収覚悟、2年分貯蓄で準備 2017/9/9 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマネー&インベストメント面にある「ミドル世代、転職の心得 減収覚悟、2年分貯蓄で準備」です。





 35~40歳代のミドル世代の転職機会が広がっている。海外事業などに対応する人材需要が企業側で旺盛なためだ。ただし転職はリスクを伴う。住宅ローンなどの負担が大きいミドル世代が転職を考える際の留意点をまとめた。

「35歳の壁」崩れる

 「中小企業の経営企画部門で仕事のやりがいを見つけ、増収にもなった」。千葉県に住む43歳の会社員は話す。2012年、金融業界から生活用品メーカーに転職。約10年勤めた大手での実務経験が重宝されているという。小学生2人の子どもの教育費負担はこれからが正念場。「会社の業績を上げ、今後の収入増にもつなげたい」と意欲的だ。

 ミドル世代を中途採用する企業は増えている。転職仲介大手3社によると、36歳以上で転職した人の数はここ数年増加。年齢別に見た比率も上昇傾向にある(図A)。「転職が難しくなるといわれた『35歳の壁』はほぼ崩れた」(転職仲介のエン・ジャパン)との声もある。

 ただし、中高年ならではの難しさもある。転職では収入アップを望みがちだが、本人が思う以上に高い専門性や能力を企業から求められやすい(図B)。ミスマッチが生じ、「転職前より50万~100万円低い年収で妥協せざるを得ないことも多い」(大手仲介会社)という。

 減収リスクに備えるために転職前に「向こう2年間くらいの減収分を貯蓄で賄えるようにしておきたい」(リクルートエグゼクティブエージェントの森本千賀子氏)。転職を4回して現在は米金融機関ステート・ストリートに勤める金野真弓さんは「早くから資産運用をして貯蓄に余裕があったことで転職に踏み切りやすかった」と話す。

 高年齢で転職を考えるなら60歳以降の年収も意識しておきたい。一般に定年以降、嘱託などで働く場合、給与水準は大きく下がる。転職後に減収となれば影響はなおさら大きい。ただ、最近は定年を65歳まで延ばし、一定の給与水準を維持する企業もある。そうした企業に転職すれば「一時的に年収が下がっても65歳までの合計収入は増えることがある」(ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏)。

 もう一つ考えたいのが就労が続かないリスクだ。転職先の企業文化に合わないといった理由からだ。社会保険労務士の池田直子氏は「大手企業から中小への転職でなじめず行き詰まる場合も少なくない」という。ジェイエイシーリクルートメントの松園健社長によると、「同じ企業でも複数部門、出向などの経験が豊富な人ほど変化に対応する能力は高い」。従来のやり方に固執する人は不向きという。

住宅ローンに影響

 厚待遇を条件に転職するケースも注意が必要だ。例えば新規事業の立ち上げに必要な経験者として部長ポスト、高年収でスカウトされるような場合だ。契約時に同意した業務の目標に遠く及ばず、成果を上げられないと退職に追い込まれかねない。一般的な会社員に比べて解雇が正当化されやすい点は認識したい。

 住宅ローンを組む予定がある人も要注意。銀行によっては転職の経験者は今後も転職する可能性があり、収入が不安定だとみなす場合がある。信用力が低下すれば借り入れ条件は悪化する。「可能なら転職前に借り入れておくのが理想」(住宅ローンコンサルティングのMFS)。転職は家計への影響をしっかり見極めて考えたい。

(南毅)



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