メキシコ、対米「強気」前面 低支持率の回復狙う 2017/1/25 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「メキシコ、対米「強気」前面 低支持率の回復狙う 」です。





 【メキシコシティ=丸山修一】メキシコ政府が今週始まるトランプ米政権との交渉で譲歩しない姿勢を鮮明にしている。メキシコの協力が不可欠な移民や安全保障と、通商問題を一括協議する方針を打ち出し、米国の要求する形での北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しをけん制。米国以外との経済関係の強化もはかる。米国に強硬な姿勢を示し、低迷する支持率の回復も図りたい考えだ。

 「米国に服従も対立もしない。あるのは対話と交渉だ」――。ペニャニエト大統領は23日、大統領官邸で残り約2年となった任期における外交方針を明らかにした。念頭にあるのはもちろん就任したばかりのトランプ米大統領だ。25~26日にはビデガライ外相とグアハルド経済相をワシントンに派遣。31日には自らも訪米し、トランプ氏との直接交渉に臨む。

 米政府にとって最優先事項はトランプ氏が選挙期間中から訴えてきたNAFTAの見直しを含む通商問題だが、移民や安全保障も重要だ。メキシコ国境からの不法資金や武器、麻薬、さらにはテロリストの米国への流入防止にはメキシコ側の協力が欠かせない。メキシコはこれらで協力関係を訴え、米新政権との交渉で主導権を握るチャンスを探る。

 経済面では米国への過度な依存からの脱却を模索する。具体的に取り組むのが、米国が脱退を表明した環太平洋経済連携協定(TPP)の参加表明国との2国間協議だ。メキシコはすでに46カ国と自由貿易協定を結んでいる。この中にはベトナムやマレーシアといった成長が期待できる参加表明国は含まれておらず、こうした国々との交渉を急ぐとみられる。隣接する中南米や米国に匹敵する市場規模を持つ欧州との貿易拡大も急ぐ。

 米国側の強硬な姿勢にも断固とした態度をとる構えだ。ロイター通信によると、グアハルド経済相は24日に地元テレビで「もし明確な利点がないのなら、(NAFTAに)とどまる意味はない」と発言。交渉次第ではNAFTAから脱退する可能性があるとした。

 メキシコは米国にとっても自動車大手がそろって工場を構えるなど重要な生産基地でもある。仮にメキシコが本格的に米国離れを進めたり、報復措置をとったりするようなことになれば、米企業にとっても競争力減退につながる恐れがでてくる。

 ペニャニエト氏の支持率は1月の地元紙の調査でわずか12%。トランプ氏に一方的にやり込められているとの印象が支持率低迷の一因になっている。今週から本格的に始まる対米交渉を前に、強い姿勢を示すのは、国民の視線を意識しているためだ。その成否がこれから問われる。



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