ヤフオク、悪質転売排除へ一歩出品禁止ルール、大量出品の削除に期待も 2017/11/10 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業面にある「ヤフオク、悪質転売排除へ一歩出品禁止ルール、大量出品の削除に期待も」です。





 ヤフーがオークションサービス「ヤフオク」のガイドラインを改定し、転売目的とみられるチケットの出品を禁止した。ルール違反の出品は発見次第削除し、悪質な出品者に対してはアカウントの停止処分も検討するという。チケットの高額転売で荒稼ぎする「転売ヤー」を追い出すことができるのか。それとも、いたちごっこが続くのか。

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「嵐」のチケットはペアで7万円を超える値が付いている

 ルール改定の発表は8日。ただ、9日の昼時点では、引き続き転売目的とみられるチケットが多数出品されている。

 ヤフオクで「チケット」と検索すると、約1万8400件の出品が確認できる。その中でも人気なのは歌手のコンサートやライブ、宝塚歌劇団の公演、韓国の平昌冬季五輪のフィギュアスケートのチケットなどだ。

 人気アイドルグループ「嵐」の12月の東京ドーム公演はペア2万円で入札が始まり7万2000円まで跳ね上がっている。安全地帯の11月の日本武道館でのライブチケットは即決価格として3万2000円の提示。韓国の女性グループ「TWICE」のスペシャルチケット(写真撮影の権利付き)は22万1000円だ。

 ただ、今回のヤフーの措置が転売対策に効果がないというわけではない。同一アカウントによる大量出品を警告無しで削除できるようにすることで、チケットを大量に入手して売りさばく手口を崩せるからだ。

 大量出品は目立つためアルゴリズムによる監視網に引っかかりやすい。また、多くの入札を集める転売者は利用者からの評価が高い。取引実績に応じて評価がつくためだが、こうしたアカウントを重点的に監視して追い出すことも可能になる。

 チケットの転売は制限すべきでないとの意見もある。何らかの理由でイベントに参加できなくなった際に、オークションサイトなどで正規に近い価格で売れるからだ。

 問題視されるのは異常な高値による転売だ。定価と転売価格の差益は、主催者側には一切入らない。高額での取引がまん延すればファン離れが起き、エンターテインメント市場そのものの縮小を引き起こしかねない。

 警察もこうした行為を問題視し始めた。兵庫県警は6月、人気アーティストのライブの電子チケットを転売目的で購入したとして43歳の男性を逮捕した。容疑は詐欺。公共の場でのダフ屋行為は迷惑防止条例などで取り締まれるが、ネット上では明確な禁止ルールはないとされていたため、捜査当局の方針転換との指摘が企業の法務担当者から出ている。

 政府や超党派の国会議員で組織するスポーツ議員連盟は2020年の東京五輪をにらみ、チケットの高額転売を規制する法整備を検討している。

 こうした状況で、大手ネット企業のヤフーが転売対策を明確に打ち出した影響は大きい。「高額転売は不適切」との認識がネット全体に広がる効果が期待できる。利用客が適正価格で取引できる再販市場を整備することも健全なエンターテインメントの発展には必要だ。

(石塚史人、指宿伸一郎)



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