ヤミ民泊新法すり抜け 2018/06/22 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「ヤミ民泊新法すり抜け」です。





民泊を本格解禁する住宅宿泊事業法(民泊新法)施行から1週間。新法が禁じる届け出や許認可のない民泊がまだサイトに載っているとして、観光庁が米エアビーアンドビーに調査を要請。エアビーも、施行の15日以降に数千件を削除したと明らかにした。観光立国に道を開くには、民泊市場の成長が重要だ。訪日客らが安心して利用できる透明な市場づくりが求められる。

(画像:ルールに沿って届け出を済ませた施設の家主からは不満も漏れる)

「自動システムで検知したり、自治体から連絡があったりした違法施設は順次、削除を進めている」。エアビー日本法人の山本美香・公共政策本部長は21日、日本経済新聞などの取材に語った。一度は掲載されながら虚偽の届け出などが判明した数千件を自社サイトから削除した。

エアビーへの掲載には、届け出番号などを入力する必要がある。同社は6月上旬、番号入力や既存ルールの許認可がない施設の掲載をやめた。最盛期の今春に6万2千件あった掲載数は15日時点で2万7千件だった。

架空の番号入力

エアビーのサイトに届け出が確認できない施設が載っていると自治体から観光庁に指摘があった。京都市によると、市内では21日時点で最低でも2000件以上の違法物件が掲載されているという。観光庁は違法物件が多数あるとみて、削除するよう要請する。

違法の疑いがある物件が掲載され続けた理由の一つは、自治体が割り当てたものではない架空の番号も入力できることだ。届け出番号はアルファベットのMと9桁の数字からなる。検知システムの精度の問題から、架空の番号で掲載された施設を排除しきれなかった。

誤入力やシステムの不備などで表示されてしまった物件か、届け出の受理が遅れる中で、掲載を続けたい家主などが意図的に虚偽の番号を入力した可能性がある。

もう一つは、法的根拠がなくても運営理由を記入すれば、施設を登録できる方法があったことだ。エアビーは「悪用が多い」として近く、この登録方法をやめる。

新法では観光庁がエアビーなどの仲介業者に対し、業務改善命令をだせるほか、半年ごとの物件情報の報告を義務付けている。観光庁は6月末までに掲載物件の状況などの報告を求めている。

マンパワー不足

一方、新法は届け出番号が正しいかについて書面チェックなどの細かい確認まではエアビーのような仲介業者に求めていない。エアビーが実施していない書類確認までする業者もあるが、エアビーは「掲載件数が多く、チェックに当たるマンパワーが不足している」(山本氏)という。違法施設が掲載後に削除されれば、予約も取り消され、旅行者の民泊離れを招く恐れもある。

米サンフランシスコではエアビーと行政のシステムが連携し、登録段階で違法施設をはじく仕組みを導入。日本でも参考となりそうだ。

新法は煩雑な手続きや自治体による追加規制で家主が使いづらい面がある。届け出をクリアして受理された東京都渋谷区の女性家主の自宅には訪日客数組が宿泊。「公正・公平なルールの下で集客してほしい」と訴える。シェア経済の象徴である民泊。手続き面を改善する規制の緩和とともに、仲介業者もチェック体制を整えて違法民泊をなくす取り組みが欠かせない。



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