ロシア、食品など禁輸拡大  欧米に対抗、景気悪化の不満そらす 2015/08/15 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際1面にある「ロシア、食品など禁輸拡大  欧米に対抗、景気悪化の不満そらす」です。





 【モスクワ=古川英治】ロシアのプーチン政権が食品などの輸入禁止措置を拡大している。ウクライナ問題を巡る欧米の対ロ制裁に同調する欧州連合(EU)未加盟の4カ国を新たに加え、対象品目も広げる構えだ。主力の輸出品である原油や天然ガスの価格が下落して経済面での苦境が深まっている。欧米との対決姿勢を強調することで、国民の不満をそらす狙いを指摘する声もある。

プーチン大統領(右)は欧米への対抗姿勢を鮮明にしている(12日)=AP

 ロシア政府は13日、モンテネグロ、アルバニア、アイスランド、リヒテンシュタインの食品を制裁対象にすると発表した。ロシアは同国に対する欧米による制裁に対抗する措置としてEU加盟国や米国、カナダの食品に禁輸を発動していた。

 プーチン大統領は禁輸の徹底を命じる大統領令にも署名した。先週から、隣国ベラルーシなどを経由して流入したとみられる欧州産などの食品を大量に破棄している。

 従来は禁輸対象でなかったオランダ産の花も新たな標的になった。ロシア当局は「安全性に問題がある」などとして廃棄に乗りだし、禁輸する方針を打ち出した。

 ロシアが支援するウクライナ東部の親ロ派武装勢力の支配地域で2014年7月に撃墜されたマレーシア機の事件の調査を進めるオランダ政府に圧力をかける狙いもあるとみられる。事件では多くのオランダ人を含む298人が犠牲になった。

 ロシアは原油安と欧米による制裁などで景気後退に陥った。10日公表の4~6月の実質成長率は前年同期比でマイナス4.6%となった。通貨ルーブルの対ドル相場はこの1カ月で10%を超えて下落した。このタイミングで政権は一連の禁輸強化を打ち出し、政権統制下のメディアは欧州産の食品を大量に破棄する映像を大々的に報じた。

 原油安で輸出が大幅に減り、資本流出が止まらない状況だ。「収支を均衡させるためには輸入を削減するしかない」(大手銀行アルファバンク)。1~6月の輸入はすでに前年同期を4割下回っており、当局は避妊具などの輸入を制限する動きさえ見せる。

 プーチン大統領は核戦力をちらつかせ、軍事面でも欧米に対抗する姿勢を強めている。

 ウクライナ側の発表によると、同国東南部の要衝マリウポリ近郊では10日、この数カ月で最大規模の親ロ派武装勢力による政府軍への攻撃があった。

 米ブルッキングス研究所のリリア・シェフツォワ上席研究員は「プーチン政権は求心力を維持するため“戦時体制”を求めている」と指摘する。



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