ロシアゲート私はこう見る 米側の共謀、根拠乏しく元米大統領法律 顧問ピーター・ワリソン氏 2017/7/7 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「ロシアゲート私はこう見る 米側の共謀、根拠乏しく元米大統領法律顧問ピーター・ワリソン氏」です。





 トランプ米政権とロシアとの不透明な関係を巡る疑惑「ロシアゲート」が米国を揺さぶっている。ウォーターゲート事件のような一大スキャンダルに発展するのか。各界の識者に聞く。1回目は元米大統領法律顧問のピーター・ワリソン氏。

 ――モラー特別検察官が捜査を始めました。

 「昨年の米大統領選に介入したロシアとトランプ陣営の共謀を裏付ける決定的な証拠は今のところないし、この先も出てきそうにない。モラー氏は正義感が強く、公正な捜査を進めるだろう。それでも共謀を立証できずに終わりそうだ」

 「政府や議会の関係者がこぞって内部情報を漏らし、メディアもそれを十分に検証しないで一斉に報じている。トランプ氏の印象を悪くして窮地に追い込みたい向きが多いようだが、確たる根拠は見当たらない」

 ――大統領の司法妨害も捜査の焦点です。

 「コミー前米連邦捜査局(FBI)長官は、フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)に関する捜査の中止を指示されたと受け止めたそうだ。だがトランプ氏は自身の希望を伝えただけで、実際に捜査を打ち切るかどうかの判断はコミー氏に委ねられたようにみえる。司法妨害の罪に問われるとは思えない」

 「コミー氏はFBIの中立性を損なった。ヒラリー・クリントン元国務長官の私用メール問題に関する再捜査を大統領選の直前に表明したのは極めて異例で、司法省のルールを破ったといえる。解任されても仕方ない幾つかの理由があった」

 ――大統領の訴追や弾劾には至りませんか。

 「たとえ違法行為が立証されたとしても、現職の大統領は訴追されないという法学者の解釈もある。その場合は議会が弾劾に動くだろう」

 「議会の弾劾は政治的な思惑に左右されるので、重大な犯罪だけでなく、権力の乱用や倫理に反する行為も対象になり得る。与党・共和党が上下両院を制しているとはいえ、トランプ氏に不満を抱く議員が結束して弾劾に動く可能性は排除できない。ただ現時点では1期4年の任期を全うする確率が高いと思う」

 ――過去の政治スキャンダルとの類似点や相違点は何ですか。

 「私からみれば、相違点が多い。最大の違いはトランプ氏の違法行為を立証する証拠がない点だ。ウォーターゲート事件ではニクソン元大統領の隠蔽工作が判明し、司法妨害などの罪に問われた。ビル・クリントン元大統領もモニカ・ルインスキーさんとの不倫問題を巡り、司法妨害と偽証で罷免されそうになった。いずれも今回の参考にはなりそうにない」

 ――米国の政治が機能不全に陥り、重要政策が滞る恐れもあります。

 「トランプ氏の政権運営は確かにひどい。経済・外交政策への関心が乏しく、具体案を国民に説明する意思もない。だが共和党の指導部は医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案や税制改革などを実現できる」

(聞き手はワシントン支局長 小竹洋之)

=随時掲載

 1986~87年にレーガン米大統領(共和党)の法律顧問。現在は米アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のシニアフェロー。76歳



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