ロシアゲート 揺らぐ米政権 プーチン氏、強気の外交 米の混乱を好機に 同盟国と分断、弱体化狙う 2017/6/19 本日の 日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「ロシアゲート 揺らぐ米政権 プーチン氏、強気の外交 米の混乱を好機に 同盟国と分断、弱体化狙う」です。





 【モスクワ=古川英治】トランプ米大統領周辺とロシアの不透明な関係を巡る疑惑「ロシアゲート」の追及が本格化するなかで、プーチン政権が強気の構えを見せている。当初の米ロ関係の改善期待が外れた半面、米国内の混乱に乗じて同国の影響力を弱体化させる外交攻勢の好機と捉えているフシがある。米国と同盟国の分断に照準を合わせているとの見方がある。

 プーチン大統領は15日、2016年の米大統領選へのロシアの介入を議会証言で断定したコミー前米連邦捜査局(FBI)長官を批判した。トランプ氏との会話を公開したコミー氏を、米国の機密情報を暴露してロシアに亡命したスノーデン氏と重ねてこう言ってのけた。「コミー氏のロシアへの亡命を受け入れる用意がある」

 プーチン政権は一連の疑惑を一蹴し、「米国内の政治抗争にロシアを利用している」などと主張する。同時に米国をちゃかすような発言を繰り返している。

 ロシア外務省は5月、ラブロフ外相が欧州評議会幹部との会談で米国をジョークのネタにしている映像をわざわざネット上で公開した。

 米国ではロシアへの警戒が強まっており、米上院は6月15日、対ロ制裁の解除に議会の審査を義務付ける法案を可決した。逆風下でロシアが余裕を見せるのはなぜか。ロシア政府筋は「政治混乱で米国の世界への関与が弱まり、外交の自由度が増すというプラス面も大きい」と話す。

 同筋は安倍晋三首相が4月にモスクワを訪問し、プーチン氏と会談したことを例に挙げる。ロシアのウクライナ侵攻を巡る対ロ制裁を主導したオバマ前米政権は日本のロシア接近の動きをけん制してきた。これに対し、トランプ政権は日ロ関係に干渉しないと安倍首相は判断し、訪問先を当初検討していた地方都市から首都に変更したとロシア側は受け止めている。

 ロシアが日本に求めるのは「米国からの独立」だ。プーチン氏は6月1日の通信社との会見で「北方四島が日本の主権下に入れば、米軍の基地が置かれる可能性がある」と述べ、日米同盟が北方領土交渉の障害になるとして揺さぶりを掛けた。

 欧州では米国への不信が募り、ロシアの思惑に沿うかのように関係がきしんでいる。5月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議。トランプ氏は演説で集団的自衛権を定めたNATO条約第5条に直接触れず、ロシアの圧力を受ける東欧諸国に動揺が走った。メルケル独首相は直後の主要国首脳会議(タオルミナ・サミット)後、「欧州が他国に頼れる時代は終わった」と発言して波紋を呼んだ。

 中東では米国の同盟国間に亀裂が生じている。サウジアラビアなど湾岸諸国が相次ぎカタールと断交した。カタールの国家元首がサウジと敵対するイランに融和的な発言をしたとされる通信社の報道が発端になったとみられている。この報道はロシアのハッカー集団が通信社を乗っ取って流した偽ニュースだった疑いが浮上している。

 マティス米国防長官は13日、米上院の公聴会で「ロシアはあらゆる多国間同盟を破壊しようとしている」と危機感を示した。ロシア政府に近い筋はプーチン政権の狙いを「トランプ大統領の任期中にできるだけ米国の影響力を弱体化させることだ」と指摘している。



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