一目均衡 市場騰勢 景気を反映か編集委員 志田富雄 2017/10/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「一目均衡 市場騰勢 景気を反映か編集委員 志田富雄」です。





 23日の日経平均株価は過去最長の15日連騰を記録した。だが、相場上昇は日米の株価だけではない。景気の先行指標とされる商品相場も内外で高い。

 内閣府が発表する景気動向指数で、日経商品指数42種は先行指数を算出する指標のひとつに採用されている。その42種の前年同月比の上昇率は9月末値で14%台まで拡大。上昇率が1ケタ台に落ちた4~6月の減速を脱し、7年半ぶりの勢いを回復した。

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 北朝鮮情勢の不透明感はあっても内外の景気が上向き、さまざまな生産活動が盛り上がっていることは間違いない。

 ただ、指数を押し上げる商品に温度差はある。日経商品指数を構成する42品目のうち、非鉄金属と金の計8品目の上昇率は9月末時点で36%に達し、鋼材(7品目、上昇率は15%台)や石油化学製品(5品目、同12%台)を上回った。

 国際指標になるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物は、鋼板メッキなどに使う亜鉛が今月、一時1トン3300ドル台まで上昇し、リーマン・ショック前に遡る10年ぶりの高値を記録した。

 電力インフラなどの需要が多い銅も先週、1トン7000ドル台の水準を3年ぶりに回復した。

 非鉄金属、鉄鋼といった金属類は世界需要の半分近くを中国が占める。景気下支えのために中国政府がインフラ投資を増やし、金属需要の拡大につながった、というのが市場の解釈だ。

 ただ「需要は拡大しているにせよ、7月以降の非鉄上昇は急すぎる」と、マーケット・リスク・アドバイザリーの新村直弘代表取締役は指摘する。

 そこには非鉄金属や金を押し上げたもうひとつの要因がある。ドル安に連動した投機だ。

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 米インターコンチネンタル取引所(ICE)に上場するドル指数は、今年初めに付けた約13年ぶりの高値をピークに下げに転じた。6月以降はドル売り・ユーロ買いが加速し、9月上旬にドル指数は2015年1月以来の低水準に低下した。

 商品相場が大きく崩れた14~15年はドル指数が急上昇した局面であり、中国などの新興国や商品市場に滞留していたマネーはドル資産に回帰した。

 ドル安局面への転換でマネーは商品市場に向かった。だが、あらゆる商品が上昇するスーパーサイクルはもはや過去のものだ。原油も上げ基調を強めてきたとはいえ、上値はシェールオイルの増産能力が抑える。

 「商品市場での資産運用は指数連動から、上場投資信託(ETF)や個別先物への直接投資が増え、マネーは上がりやすい商品に集中しやすい」(新村代表)

 非鉄金属が需給の変化以上に急騰した理由だ。

 日米の株高も商品相場の上昇も、上向く景気に呼応したものと言える。だが、その勢いまでが景気を反映したものかは話が別だ。非鉄投機を加速したドル安には基調転換の気配も見える。



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