不動産テック 変わる市場(下)自宅で稼ぐ・安全な民泊…続々 「シェア経済」起爆剤に 2017/8/3 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「不動産テック 変わる市場(下)自宅で稼ぐ・安全な民泊…続々 「シェア経済」起爆剤に」です。





 都内に住むある男性は約50平方メートルの自宅を活用し、小遣い稼ぎをしている。勤務で留守の間、近所の主婦らに貸し出す。部屋はママ友が食事や飲み物を持ち寄る交流の場に様変わり。忘年会シーズンは予約で埋まり、最大で月80万円の副収入になる。

仮想現実を使った内見サービスが誕生した(イオン品川シーサイド店)

 仲介を手掛けるのはスペースマーケット(東京・新宿)。スマートフォン(スマホ)を介し貸し手と借り手を引き合わせる。月5千件のニーズがあり、重松大輔社長は「人口減で空き場所は増える」とにらむ。

相乗効果を期待

 場所やモノを有効にやりとりする「シェア経済」は不動産テックにとり大きなビジネスチャンスの場。矢野経済研究所の調べによると、シェア経済は2020年度に600億円市場に拡大する。不動産テックのITがうまく働けばさらに相乗効果が期待できる。

 例えば住宅に旅行者を有料で泊める民泊。関係法も成立し、訪日客の宿泊施設不足を補う切り札として期待される。一方で施設提供者には利用者が部屋を荒らしたりまた貸ししたりするリスクがある。

 スマートロックと呼ばれる電子錠を販売するキュリオ(東京・渋谷)はソニーと連携し、スマホのアプリで解錠できる製品を開発した。だれがいつ鍵を開閉したかが分かり、部屋の出入りを正確に管理できる。安全性を高め、民泊用施設を増やす効果を期待する。

 不動産テックの新サービスや商品が相次ぐのは、数年前のフィンテック誕生期に似通う。ただ国土交通省は「不動産テックの所轄部署がどこかも決まっていない」(幹部)と反応が鈍い。

国の対応カギ

 不動産テック側から「事業の不都合や規制緩和要望を聞いてほしい」との声が漏れる。個人投資家が不動産売買を手がける中、宅建業の業務範囲の見直しや、仲介手数料の自由化が必要との指摘がある。国が管理する不動産情報を広く公開し、新築優遇の税制を改正すべきだとの見方も多い。

 「この物件はベランダが広いですよ」。イオンの品川シーサイド店。仮想現実(VR)を使った内見サービスを手がけるナーブ(東京・千代田)は7月に「どこでもストア」を開設した。双眼鏡のようなVR器具をのぞくと、詳細な間取りを3次元で確認できる。ネットによる遠隔接客で物件の特徴も教えてくれる。

 多田英起社長は「人手をかけずに効率よく内見して成約率を高める」。新技術は取引を抜本的に変える可能性がある。国も民間と対話を重ね、成長力を引き出す姿勢が欠かせない。

 馬場燃が担当しました。



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