中ロ、歴史認識で日本批判強める 揺さぶり戦略 常態化 2015/10/26 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「中ロ、歴史認識で日本批判強める 揺さぶり戦略 常態化」です。





 【ニューヨーク=高橋里奈、モスクワ=田中孝幸】中国やロシアが歴史問題で日本への批判を強めている。中国は国連の委員会で「旧日本軍は中国で化学兵器を使った」と非難。ロシアは戦後のシベリア抑留資料のユネスコ世界記憶遺産登録に不快感を示すなど、中国に同調する動きをみせている。歴史問題を引き合いにした周辺国の日本に対する揺さぶり戦略が常態化している。

20日、国連本部で発言する中国の傅聡軍縮大使=共同

 「旧日本軍は化学兵器を1131回以上使った。今も遺棄された化学兵器が人々の脅威になっている」。中国の傅聡軍縮大使は22日、軍縮問題などを話し合う国連総会第1委員会で語気を強めた。日本の佐野利男軍縮大使が「大げさで疑わしい統計」と反論すると、「またも日本は歴史を拒否している」と再批判した。

 傅大使は細菌戦によって「広島・長崎の原爆犠牲者より4倍も多い120万人以上もの中国市民が死亡した」とも主張した。同氏は20日にも、日本がプルトニウムを不必要に大量保有していると指摘。「決断が下されれば日本が核保有国になるまでの時間は極めて短い」とした。

 ロシア外務省は22日、シベリア抑留関連資料のユネスコ世界記憶遺産への登録を受け「日本のゆがんだ戦争認識のもとで資料の収集が行われた」と批判した。「日本軍兵士は合法的に拘束した捕虜だ」と、シベリア抑留を正当化する主張は、抑留を謝罪した1993年のエリツィン大統領(当時)の見解と大きく異なる。

 背景には、プーチン政権が大戦をめぐる愛国主義に訴える路線に傾斜している事情がある。経済の苦境が深まる中で政権の求心力を維持する狙いがあり「大戦の負の遺産に触れるのはタブーとなりつつある」(元高官)。

 菅義偉官房長官は記者会見で、「ユネスコ登録は事前に趣旨をロシア側に説明し、ロシア側も承知している。政治的な登録申請には全く当たらない」と反論した。だが、ラブロフ外相は今春以降、領土問題に関し「日本は大戦の結果を認めない世界唯一の国だ」と繰り返し非難している。ロシアの姿勢には、歴史問題で中韓と共闘し、北方領土問題で自らの主張の正当性を高める思惑も透ける。

 日韓間では旧日本軍による従軍慰安婦問題が関係改善に向けた最大のトゲになっている。

 日本政府は1965年の日韓請求権協定で問題は法的に解決されたとの立場を貫く一方、95年にアジア女性基金を設立し、「償い金」を届けるなどしてきた。だが韓国には依然責任を明確にするよう求める意見も根強く、首相の謝罪や元慰安婦支援なども論点だ。ほかに「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録をめぐる対立のしこりも残る。



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