中台対話停止 長期化も 「一つの中国」巡り神経戦続く 2016/06/30 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際1面にある「中台対話停止 長期化も 「一つの中国」巡り神経戦続く」です。





 【北京=山田周平、台北=伊原健作】中国と台湾が2008年以降に築いた当局間の対話メカニズムの停止が長引く恐れが出てきた。中国政府は29日、台湾で5月に発足した蔡英文政権が「(中国大陸と台湾は一つの国だとする)一つの中国」の原則を認めない限り、対話に応じないと改めて表明した。蔡政権からは逆に台湾の独自性を暗示する言動が続いている。

 中台は戦後、政治対立が続いたが、台湾で親中的な国民党が政権に復帰した08年以降、閣僚級高官らが直接対話する仕組みを築いた。しかし、中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)は25日、「両岸(中台)の対話メカニズムは既に止まっている」との談話を発表した。

 「台湾の新たな当局が今に至るまで『92年コンセンサス』を認めていないからだ」。国台弁の安峰山報道官は29日の記者会見で対話停止の理由を語った。92年コンセンサスとは、中台が「一つの中国」の原則を口頭で認め合ったとされることを指し、中国側は対話の条件としてきた。台湾では、独立を志向する民主進歩党(民進党)の蔡英文氏が5月20日に総統に就任。就任演説で「両岸が92年会談で若干の共通認識に達したという歴史の事実を尊重する」と語ったが、台湾が中国とは別の政治実体であるとの「本音」がにじむ言動が出始めている。

 蔡総統は26日、初の外遊でパナマを訪れて運河の開通式に出席した際、芳名録の肩書に「台湾総統」と記した。台湾当局が正式な「国号」とする「中華民国」は脇に書き添える形式をとった。

 党綱領に「台湾共和国の建国」を掲げる民進党の関係者は「中華民国」ではなく「台湾」を名乗ることを好む。中国に配慮するなら「台湾総統」の表記を避ける手もあったが、そうしなかった。

 5月末には、対中政策を担当する行政院(内閣)大陸委員会の張小月・主任委員(閣僚)が現地メディアなどとの懇談で「中国大陸は隣人」と発言。中国側は「大陸と台湾は『一つの中国』に属し、両岸の同胞は家族。隣人関係などでは決してない」(国台弁の安報道官)と不快感を示した。

 中台関係は00~08年、民進党政権の陳水扁総統(当時)が中台は「一辺一国(それぞれ別の国)」と主張し、緊張が高まった。蔡政権発足後の中台は対話が途絶えた冷たい関係へ移りつつある。



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