中国、世界株安に危機感 金利・預金準備率下げ 異例の同時緩和 2015/08/26 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際2面にある「中国、世界株安に危機感 金利・預金準備率下げ 異例の同時緩和」です。





 【北京=大越匡洋】中国人民銀行(中央銀行)が25日に決めた追加金融緩和は、中国の金融政策の主な手段である金利と預金準備率を同時に引き下げる内容だった。リーマン・ショック後に世界金融危機が広がり、中国経済が急激に悪化した2008年末以来となる異例の緩和措置だ。中国を震源とする世界的な株安の連鎖に対する強い危機感を反映している。(

資金調達コストを下げるとともに流動性を十分に保つことを狙う(中国人民銀行の本店)

中国江蘇省の銀行に並ぶ人民元紙幣=共同

 金利と預金準備率を同時に引き下げたのは2つの狙いがある。まず、利下げによって国内企業の資金調達コストを軽くし、景気の減速に歯止めをかける。さらに海外にマネーが逃げ出す動きに対応し、預金準備率を引き下げて市中銀行から吸い上げる資金を減らし、国内の流動性を十分に保つことを狙っている。

 6月に利下げした際も、人民銀は一部の銀行を対象に預金準備率を下げた。今回は預金準備率を全面的に引き下げ、より緩和効果を高める手法を選んだ。中国の景気減速と米利上げ観測に加え、人民銀が人民元を切り下げ、海外への資金流出が加速する懸念がそれだけ高まっているためだ。

 同時に、持続可能な安定成長への軟着陸に向けて、中国が構造改革を重視する姿勢も訴えてみせた。人民銀は利下げに合わせ、期間1年以上の定期預金に限り、基準金利の1.5倍までとしている預金金利の上限規制を外すことを決めた。

 中国では貸出金利は制度上、銀行が基準金利から自由に上げたり下げたりできるが、預金金利には上限が残っている。一部とはいえ、銀行の裁量で預金金利を決められるようになり、金利の自由化へ歩みを進めた形だ。

 海外を中心に市場では中国の構造改革が後退するのではないかとの懸念があり、中国経済の先行きへの警戒感が強まる一因となっている。人民銀はこうした市場の懸念も意識し、「市場重視」の姿勢をアピールした。

 中国景気が想定を超えて減速し、追加のテコ入れが不可避だったのは確かだ。一方で、中国の国営中央テレビは25日、すでに世界ではギリシャ問題などを原因に株価の下落が始まっていたなどとするニュース解説を流し、「中国発の世界株安」という見方を薄めようと躍起だった。

 9月の習近平国家主席の訪米をはじめ、秋には20カ国・地域(G20)などの国際会議が目白押しになる。中国の人民元の切り下げを発端とする市場の混乱を早期に収拾しなければ、国家指導者が国際社会の批判にさらされ、メンツを失うとの危惧を中国当局が抱いたのは想像に難くない。

 だが海外への資金流出懸念はなお強く、国内の需要も伸び悩んでいる。中国景気がシナリオ通りに持ち直すかどうかは、なお予断を許さない。



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