中国、資金流出35兆円超 16年過去最大、元先安観でM&A急増 20 17/1/8 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の第一面にある「中国、資金流出35兆円超 16年過去最大、元先安観でM&A急増」です。





 【北京=原田逸策】中国から海外への資金流出が2016年に過去最大になったようだ。流出から流入を差し引いた金額は3千億ドル(約35兆円)超と前の年に比べ6割拡大した。中国景気の不透明感に伴う人民元の先安観から、外貨資産狙いの海外M&A(合併・買収)の急増に加え、輸出企業は得た外貨を海外で保有する。資金流出に伴う元急落を防ぐ為替介入で、中国の昨年末の外貨準備は3兆ドル割れが目前。中国当局は資本規制を強めるが、企業活動に支障が出る恐れがある。

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 国家外貨管理局の統計から企業や個人が中国の銀行口座を通じて海外とやり取りしたお金を集計した。帳簿上の取引ではなく、実際に動いた資金額を示す。

 16年1~11月は2.5兆ドルの流入に対し流出が2.8兆ドルに上り、流出が流入を2930億ドル上回った。純流出額は15年より1千億ドル多く、通年で3千億ドルを超えるのは確実。統計は10年からだが、16年の純流出は過去最大の公算だ。

 05年の人民元切り上げと管理変動相場制の導入以降、資金流入は拡大。外貨準備高も増大し、中国当局にとって投機マネーの流入と元高をいかに防ぐかが大きな課題となった。それが15年8月の元切り下げ以降は中国経済の減速懸念もあって元の先安観が強まり、資金流出と元安への対応を迫られている。

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 16年はM&Aなど直接投資で差し引き1200億ドルが流出。中国政府はこれまで「走出去(海外に打って出る)戦略」の一環で対外投資を奨励してきたが、元の先安観で中国勢の動きが加速。海外投資は1~11月に1617億ドルと55%増えた。

 一方、中国景気の先行き不透明感から海外からの対中投資は鈍化。中国共産党幹部は「外資製造業の進出が減り、撤退が増えている」と懸念する。

 証券投資も差し引き489億ドルが流出した。厳格な規制で中国からの海外証券投資は頭打ちだが、15年の上海株急落で外国勢の中国株への投資が減ったとみられる。

 北京の金融関係者は「元の先安観を背景に輸出企業は得たドルを元に替えず、輸入企業はドル建て代金をなるべく早く海外に送る」と指摘する。

 中国人の海外旅行増や外貨建て保険の購入、音楽やソフトウエアなどサービス貿易の赤字拡大も資金流出につながった。

 統計に反映されない資金流出も多い。現金の海外持ち出し、地下銀行を通じた違法送金のほか、16年は仮想通貨ビットコインを介して元をドルに替える動きも急増。同11月は世界のビットコイン取引が15兆円超と過去最高だったが、このうち中国が9割を占めた。

 中国当局は元安を食い止めようと元買い・ドル売りの為替介入を繰り返す。この結果、7日発表の昨年末の外貨準備高は3兆105億ドルと前月比410億ドル減った。14年6月に4兆ドルに迫ったが、15年5100億ドル、16年3200億ドル減った。

 当局は資本規制を厳しくする。16年11月から500万ドル以上の海外送金や両替の事前審査に着手。M&A急増にも対応し、海外企業買収も500万ドル以上の案件を事前審査する。1月からは個人の外貨買いの際に使い道を細かく報告させ始めた。外資の現地法人が本国に送金しにくくなり、中国企業も海外進出に二の足を踏む恐れがある。

 中国商務省の王受文次官は6日の記者会見で「短期で投機性の高い資本流動を規制するもので、法律を守って経営する外資企業に影響はない」と語ったが、規制が長期に及べば中国が外資を誘致する逆風にもなる。



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