中国の要求「無視を」 2018/06/07 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「中国の要求「無視を」」です。





【台北=伊原健作】台湾と米国が一段と接近している。中国が海外航空会社に対し、ホームページ上で台湾を中国の一部と表記するよう要求している問題をめぐり、米政府が企業に「無視」するよう求めたことが判明。米軍は台湾海峡への軍艦の派遣も検討するなど、中国の影響力拡大をけん制する動きが相次ぐ。台湾は歓迎するが、中国は「核心的利益」と位置づける台湾への介入として反発しそうだ。

(画像:米政府は国内航空大手に、中国の要求に従わぬよう求めた(3月、米ロサンゼルス)=ロイター)

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は6日、米政府がユナイテッド、アメリカン、デルタの米航空3社に対し、中国の要求を無視するよう求めたと報じた。

中国大陸と台湾が一つの国に属するという「一つの中国」原則を認めない台湾・蔡英文政権に対し、中国は外交圧力を強める。4月には世界の航空会社44社に対し、予約サイトなどでの「台湾」という表記を「中国台湾」など中国の一部に改めるよう求める書簡を送付。台湾メディアによると中国事業で不利益が生じる可能性を示唆する記載があり、独ルフトハンザやエア・カナダなど18社が要求に応じたという。

米ホワイトハウスは5月、政府による将来の監視社会を描いた英作家ジョージ・オーウェル氏を引き合いに出し、中国の要求を「オーウェル氏の作品を想起させるようなばかげたものだ」と批判。台湾の外交部(外務省)は「北京当局からの圧力で日増しに困難が増しており、米政府の支援に感謝する」とした。

またロイター通信は今月4日、トランプ米政権が台湾海峡への軍艦の派遣を検討していると報じた。今年に入ってからは一時、空母の派遣も検討したという。

昨年から中国軍機が台湾を周回する演習が常態になっている。マティス米国防長官は2日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議での演説で「一方的な現状変更の試みに反対する」と指摘。「(台湾への)必要な武器の供与を断固として続ける」と、中国を強くけん制した。台湾は中国が進める海洋進出の要衝に位置し、「対中国で台米の利害は一致する」(台湾の外交筋)という。

さらに米朝首脳会談と同じ6月12日には、緊密な米台関係を象徴する式典が台北で開かれる。米の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)台北事務所の新庁舎落成式で、蔡総統が出席する。

米国では3月に米台の高官の往来を促進する「台湾旅行法」が成立。これに基づき米高官が訪台すれば、中国への配慮により制限されてきた米台関係の転機になる。ただ中国の猛反発を招くのは確実で、北朝鮮問題の裏で米中がせめぎ合う構図が鮮明になる。



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