中国の選択肢に限り 対北朝鮮、静観か貿易遮断 豪シドニ ー大学米国研究センター ジェームス・ブラウン氏 2017/5/4 本日 の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「中国の選択肢に限り 対北朝鮮、静観か貿易遮断 豪シドニー大学米国研究センター ジェームス・ブラウン氏」です。





 ――北朝鮮の危機解決に向けたシナリオは。

 「北朝鮮問題は中国の関与なしに解決できない。トランプ米政権が前政権と違うのは、中国にはっきり圧力をかけている点だ。朝鮮半島の非核化に向け、軍事力行使をためらわないとのメッセージを発しているのも従来政権と異なる」

 「オーストラリアは北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権を抑えようとする中国の努力を評価している。中国が実際にどれだけの影響力を行使できるかについては現実的に見ている。中国には何もしないか、貿易関係を遮断するかの選択肢しかない」

 ――豪州にとって、北朝鮮が越えてはならない一線は何ですか。

 「基本的には米国と同じだ。長距離の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の保有は受け入れ難い。米国や豪州などの同盟国は、問題解決に向け軍事力行使も辞さないことを北朝鮮に理解させる必要がある。米豪は普段から朝鮮半島の緊急事態を想定して連携している」

 「豪北部ダーウィンでの米海兵隊の巡回駐留は、費用負担を巡る交渉が決着し、両国が協力を増す素地ができた。さらに2つの分野で協力を強化できる。まず、豪領海内での米海軍の駐留だ。両国はこの可能性を過去に研究し、再検討に値する。第2に豪州が計画する新型の軍艦の導入に合わせ、弾道ミサイル防衛システムをどう整備すべきかという点。豪州国内で議論が活発化している」

 ――アジアでの危機の高まりは日豪関係にどう影響しますか。

 「アジア太平洋地域への米国の関与について、日豪が話し合う機会が増えている。安全保障だけでなく貿易問題でも同様だ。米国は環太平洋経済連携協定(TPP)離脱を決めたが、日豪はTPPの実現を探っている」

 「TPPは米国のアジア関与の象徴だったゆえに、離脱は地域の安定を揺るがしかねない。また、南シナ海など海洋安全保障を巡る米政権の意図もいまだ明確ではない。(フィリピンなど)東南アジアの米同盟国と米国との関係が複雑化している現在、日豪が米を助ける形で連携する重要性は高まっている」

 ――トランプ氏は今年初め、ターンブル首相との電話協議を一方的に打ち切ったとされます。4日の初の首脳会談で関係を修復できますか。

 「4月下旬のペンス米副大統領の豪州訪問は米豪同盟の意義を再確認させ、電話協議で生じた懸念を拭った。ああした電話協議が頻発するのは願わないが、同盟を当然と思ってはいけないと関係者が学ぶ教訓になった」

(聞き手はシドニー=高橋香織)

=随時掲載

陸軍に入り、イラクやアフガニスタンで勤務。豪ローウィ国際政策研究所を経て2016年から現職。



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