中国変調、陰る輸出力 対米黒字は高水準 貿易総額2年連 続減 2017/1/13 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「中国変調、陰る輸出力 対米黒字は高水準 貿易総額2年連続減」です。





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人件費の上昇などが中国の加工貿易の重荷に(青島港)=AP

 【北京=原田逸策】拡大を続けてきた中国の貿易が変調している。中国税関総署が13日発表した2016年の貿易統計によると、ドルベースの輸出、輸入ともに前年水準を下回り、貿易総額が2年連続で減った。中国は輸出拠点としての競争力が陰る一方、米国に対する貿易黒字が高水準で推移し、トランプ次期米政権とのあつれきが増す恐れがある。米中間の貿易摩擦が強まれば、世界経済全体に影を落とす。

 輸出は前年比7.7%減の2兆974億ドル(約240兆円)だった。主な輸出先である米国、欧州連合(EU)、日本がそろって前年割れとなった。商品別にみても、主力の携帯電話やパソコンなど電気製品に加え、中国が得意としてきた衣服も前年を下回った。

 人件費や地価の上昇を背景に、部品を海外から調達し、中国で組み立てて輸出する加工貿易の足元が揺らぐ。税関総署の黄頌平報道官は13日の記者会見で「労働集約型の中国製品は昨年、欧州、米国、日本で市場占有率(シェア)を落とし、東南アジア製品のシェアが上がった」と語った。

 16年に人民元は対ドルで6.6%下落したが、輸出を押し上げる効果は乏しかった。黄氏は「輸出品の多くが部品や原材料を輸入に依存しており、長期的には元安による輸出押し上げ効果は限定的」と話す。ライバルの東南アジアなどの通貨も対ドルで下落している。

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 一方、輸入は前年比5.5%減の1兆5874億ドル。年前半に原油など国際商品価格が低迷し、通年の輸入価格は平均2.1%下落した。輸入量の多い原油と半導体はいずれも数量は増えたが、金額ベースでは減少した。パソコン部品や液晶ディスプレーは量、金額ともに減った。

 17年に輸出が回復に向かうかどうかは不透明だ。中国社会科学院の張明主任研究員は「トランプ政権の発足で保護主義が加速すれば、中国の輸出にプラスにならない」と話す。特に、トランプ氏は中国などを名指しし、米国の貿易赤字に強い不満を表明している。

 中国の16年の輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は全体で前年比14%減の5099億ドルと、5年ぶりに減少した。対米貿易に限ると、黒字は2507億ドル。前年比4%減ったが、過去最高だった15年にほぼ並ぶ水準だ。

 トランプ氏は中国を為替操作国に認定し、中国製品に高関税を課すと主張する。中国は16年に反不当廉売(ダンピング)課税などの調査を計119件受けた。前年より36%多く、過去最高。鉄鋼製品を巡る米国による調査が多いとみられる。

 米通商代表部(USTR)は最近、「中国は世界貿易機関(WTO)加盟から15年たったが、約束を果たしていない」などとする報告書をまとめた。米国は日本やEUとともに、中国についてWTO協定上の「市場経済国」の認定を見送った。

 中国は表向き「米中貿易関係の発展に伴い、摩擦が起きるのは正常なこと」(商務省)と平静を装う。だが実際に高関税を課されれば、官製メディアを動員し、米国製品の不買運動など報復に動く恐れも否定できない。

 対外経済貿易大学の王健教授は「現在は各国が貿易や投資でお互いに依存し、保護措置は自らを傷つける」と話す。ただ中国の製造業は設備過剰を抱え、16年に日本の1年分の生産量にあたる1億トン強の鋼材を世界に輸出した。反ダンピング課税などで米国向けは大きく減っているが、欧米では第三国を経由した迂回輸出を疑う声もある。



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