中国外貨準備、3年ぶり増加 17年末、資本規制で介入減 改革逆 行、外資撤退も 2018/1/8 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「中国外貨準備、3年ぶり増加 17年末、資本規制で介入減 改革逆行、外資撤退も」です。





 【北京=原田逸策】中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した2017年12月末の外貨準備は3兆1399億ドル(約350兆円)で、16年末より1294億ドル増えた。前年末を上回るのは14年以来3年ぶり。資本規制を強めたことで海外への資金流出が減り、人民元相場が安定。外貨準備のドルを売り元を買い支える為替介入を大きく減らせたからだ。為替市場は15~16年より安定した半面、元の市場化改革は後退している。

中国人民銀行は資本規制の手を緩めない(北京市の人民銀本店)

 12月末の外貨準備は11月末より206億ドル増えた。前月比での増加は11カ月連続となる。

 中国の外貨準備は15年に5100億ドル減、16年は3200億ドル減と大規模な取り崩しが続いていたが、17年は反転した。最大の要因は通貨当局の資本規制だ。

 16年11月末から企業による大口の両替、海外送金を制限し、17年1月には個人の外貨両替にも申請書の提出を義務付けた。銀行を通して正規ルートで海外に流出するお金は16年の3千億ドルから17年(1~11月)は1200億ドルまで減った。

 15、16年は資金流出に伴い元が対ドルで下落し、通貨防衛のため当局が外貨準備のドルを売って元を買い支えた。17年は介入の必要性が薄れ、推計の介入額は16年の2.9兆元(約50兆円)から17年は4千億元に減った。

 人民銀は17年5月には人民元取引の目安となる「基準値」の算出方法を変更し、対ドルで元高が進みやすくした。基準値は人民銀が毎朝公表し、為替介入と並び元相場を誘導する有力な手段。5月以降、基準値が前日終値より元高水準に設定された比率は73%と16年の55%から急上昇した。ドル安の追い風も吹き、17年の人民元の対ドル相場は5.8%上昇した。

 資本規制と基準値変更は為替市場の安定に役立った。だが、市場の需給に応じて元相場を自由に変動させる改革は逆行し、副作用も出ている。

 ある外資自動車メーカーは車1台が売れると5%のライセンス料を中国から本国に送金してきたが、17年から3%に制限された。外資企業の中国現法の多くも17年春、本社から借りた融資の利払いができなくなった。強化された海外送金の規制に引っかかったためだ。

 利益を上げても本国に戻せないので新規投資をためらったり、中国から撤退したりする外資企業は増えている。国際収支によると17年1~9月の対中直接投資は新規から撤退を差し引いて878億ドル。前年同期比で13%減り、リーマン・ショック直後の09年以来の低水準に落ち込んだ。

 中国企業の海外投資も当局から制限された影響で17年1~9月に前年同期比64%減の650億ドルに落ち込んだ。「マネー鎖国」で中国は対内、対外投資とも落ち込み、中国企業は海外の技術や経営手法を取り込みづらくなっている。

 通貨当局は18年も資本規制の手を緩めない。1月からは銀行カードによる海外での現金引き出しを制限した。17年末の米国の利上げと減税法成立を背景に、中国から米国への資金流出圧力が再び高まったことを懸念したとみられる。



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