中国成長目標「6.5%前後」 17年、事実上の下げ検討 2017 /1/21 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「中国成長目標「6.5%前後」 17年、事実上の下げ検討」です。





 【北京=原田逸策】中国政府は2017年の経済成長の目標を16年の「6.5~7%」から事実上下げる方向で検討に入った。新目標は「6.5%前後」が軸になる。16年通年の国内総生産(GDP)の実質成長率は前年比6.7%と目標を達成したが、公共投資や減税で押し上げた部分が大きい。不動産バブルなど副作用も目立つ。秋の共産党大会をにらみ、無理なく達成できる目標を定め、経済運営はリスク制御と安定を優先する。

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 「国際通貨基金の予測で16年のインドの成長率は6.6%。中国の成長率は世界最高だ」。国家統計局の寧吉喆局長は20日の記者会見で胸を張った。中国の成長率は90年以来26年ぶりの低水準だが、株式市場の混乱で世界に懸念が広がった16年初めと比べれば経済は表向き落ち着いている。

 卸売物価指数が昨年秋から上昇に転じ、企業を苦しめた川上のデフレは和らいだ。製造業の利益も回復基調。個人消費は好調で、経済成長への貢献率は64%に達した。16年10~12月期の成長率は前年同期比6.8%と7~9月期(6.7%)より上向いた。SMBC日興証券の肖敏捷シニアエコノミストは「この勢いで17年も1~3月期は高めの成長」とみる。

 安定のために払った代償は小さくない。年5千億元(約8兆4千億円)超の企業減税で税収の伸びは大幅に鈍った。インフラなど国有企業の投資を19%増やして製造業など民間投資の失速を補った。投資に占める民間比率は61%と6年ぶりの低水準に下がった。

 15~16年の金融緩和で中国の借金依存はさらに進んだ。16年通年で中国のGDPは5.5兆元増えたが、企業や個人の借金はその3.2倍の17.8兆元も増えた。

 あふれたマネーが向かったのは北京、上海、深センなどの不動産。15年と比べると価格は3~5割も上昇。ネット上は「負け組1位は不動産売って起業。勝ち組1位は北京の不動産購入」などの書き込みが目に付く。

 17年は米中関係がリスクになる。みずほ総合研究所の伊藤信悟中国室長は「トランプ政権の発足で米中の貿易摩擦が起これば緩やかな輸出改善にブレーキがかかる。米国の利上げペースが加速すれば資金流出がさらに続く」と指摘する。足元の物価上昇もあって実質成長率は上がりにくい。

 過剰債務、資産バブル、利益の出ないゾンビ企業……。中国の一部の官庁エコノミストは中国経済が抱えるこれらの問題を「経済汚染」と呼び始めた。汚染を取り除く改革を進めるには、無理せずに達成できる目標を設定する必要がある。17年の目標を事実上下げる理由とみられる。

 新たな目標は「6.5%前後」が軸となる。複数の共産党関係者が明らかにした。3月の全国人民代表大会(全人代)で李克強首相が発表する。中国は成長目標を05~11年に8%、12~14年に7.5%、15年「7%前後」、16年「6.5~7%」と段階的に下げてきた。17年に実際に下げれば3年連続となる。



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