人手不足 進化する職場(上) 働き手に寄り添う 制 約超え全員参加 2017/5/1 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の第一面にある「人手不足 進化する職場(上) 働き手に寄り添う 制約超え全員参加」です。





 働き手が減り始めた日本。労働需給は逼迫し、足元の有効求人倍率はバブル期並みの水準に高まっている。だが、企業も手をこまぬいているわけではない。人手不足の時代を生き抜くため、職場そのものを変え始めた。

KDDIエボルバの事業所は託児所を併設(4月、埼玉県ふじみ野市)

■「ニア宅オフィス」

 コールセンターのKDDIエボルバ(東京・新宿)は若手女性スタッフの確保に四苦八苦していた。求人広告などの費用はかさみ、数年前に1人1万円前後だった採用コストは今5万~10万円。保育所も足りず、子育て世代の応募が少ない。

 いっそ主婦が暮らす町に職場をつくったら。昨秋、若者の流入が目立つ埼玉県ふじみ野市に事業所を開いた。スーパーの1階、無料の託児所も併設する「ニア宅オフィス」だ。すると採用難はウソのよう、瞬く間に50~60人が応募した。同社は「離職者を減らせれば研修費は不要。通勤費も減り、採算はあう」と話す。

 子育てや介護を抱える女性に働いてもらうには工夫が必要だ。IT(情報技術)を使ったテレワークや在宅勤務など働きやすい環境づくりは急ピッチで進む。人口減に伴う働き手の減少はこれからも続く。国連推計をみると、2050年の日本の生産年齢人口(15~64歳)は5500万人。15年比で3割ほど減る。老若男女、働く意欲のある人に働いてもらわないと日本は成長できない。

 4月28日、引退した21人の男性がサイエスト(東京・港)の入社式に臨んだ。同社は60代を中心にシニアを他社に送り込んでいる。登録者は3千人。経営企画の担当として生かす猫グッズ販売の猫壱(東京・中野)は「良質な人材はなかなかいない」と頼みにする。フルタイムの若手より働く日数は少ないが、企業の人件費を抑え、業務効率を高める効果がある。

■ITや車で活躍

 眠れる戦力の掘り起こしは、日本の活力を高めるうえで必須だ。労働政策研究・研修機構によると、30~50代の就業者が同年代の人口に占める割合は男性9割、女性6~7割。女性の働き手を増やす余地はある。高齢者もそうだ。就業者の割合は60~64歳の男女合計で6割ある。引退後の生活を満喫する欧米より高めだ。健康なら長く働きたいと思う人は多い。

 働く人の国籍も多様でいい。技術者派遣大手のテクノプロは、外国人技術者を年間100人以上のペースで増やす。IT企業のほか、自動車や電気の設計・開発に携わる人も多くなった。日本の大学院を卒業したベトナム人のグエン・ズイ・ヒュウ(25)は昨年から派遣先のトヨタ自動車東日本で働く。「友人の留学生の9割が日本での就職を選んだ」

 事業は人なり。パナソニックを創業した松下幸之助が好んだ言葉だ。企業にとって最も重要な資産は人。人手不足の今、企業はこれまで以上に人に寄り添う努力が求められている。

=敬称略



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です