人手不足 進化する職場(下) 過剰な日本流にメス 生産性改善の好機に 2017/5/4 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の第一面にある「人手不足 進化する職場(下) 過剰な日本流にメス 生産性改善の好機に」です。





 現場の負担軽減を目指して、今年度中にトラック運転手や物流施設の従業員1万人の採用を決めたヤマトホールディングス。ただ日本の人口が減る中、人海戦術に頼っていては成長戦略が描けない。将来を見据えて新しい宅配システムの開発を急いでいる。

デニーズはフルサービスを見直す(東京都豊島区)

 神奈川県藤沢市の閑静な住宅街。ヤマトはディー・エヌ・エー(DeNA)と組んで再配達をなくす宅配システム「ロボネコヤマト」の実証実験を進めている。受取人が指定した時刻と場所に荷物が届く。時刻の指定は10分刻み。場所は路上でも構わない。配送車が到着したら、受取人が車両の中にあるボックスの鍵を外して荷物を取り出す。受取人の都合を最優先することで、再配達を撲滅する。

■無人配送視野に

 実証実験では配送車をドライバーが運転するが、自動運転による無人配送を視野に入れている。

 単身や共働きの増加などで日中は自宅にいない世帯が増え、配達業務に占める再配達の割合は2割に達している。人手不足が深刻になるにつれ、無料で再配達を続ける余裕はなくなってきた。

 過剰ともいえるサービスを見直す動きが広がっている。ファミリーレストラン「デニーズ」は1974年の開業以来、守り続けてきたサービスを見直す。店員が客席を回ってコーヒーをつぐフルサービスを約1年かけて廃止し、全国約380店にセルフサービス式のドリンクバーを導入する。ある店舗ではサービスの見直しで、接客スタッフが5人必要だった時間帯を4人で切り盛りできるようになった。

 全国に約1万店あるファミレス。時給1千円超でもパート・アルバイトが確保できず、人繰りに悩む店舗が増えている。ロイヤルホストは1月末までに、24時間営業を廃止した。営業時間の短縮は売り上げ減につながるが、人件費を思いきって減らすことで店舗の収益性を高める。

■ロボットを活用

 今年3月、千葉県浦安市に開業した「変なホテル」は6階建て100室のホテルを、7人で運営している。人手は通常の4分の1。フロントでは日本語や中国語を音声認識する2体の恐竜型ロボットが宿泊客を出迎え、自動でチェックインできる。フロア掃除や接客などの業務は約140台のロボットが担う。

 「世界一生産性の高いホテルを目指す」。ホテルを運営するエイチ・アイ・エス(HIS)会長兼社長の沢田秀雄(66)は力を込める。

 日本の就業者1人あたり労働生産性は経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国で22位。従来の発想を超える先端技術を取り込んだり、過剰なサービスを大胆に見直したりしなければ、人口が減っていく日本はじり貧をまぬがれない。バブル期以来26年ぶりの人手不足は、日本の生産性を根本的に改善する好機となる。

=敬称略



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です