人材開国 日本の課題 識者に聞く 新たな中間層 想定必要 2018/07/31 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「人材開国 日本の課題 識者に聞く 新たな中間層 想定必要」です。





政府が新たにつくる在留資格の枠組みは心配な点が多い。日本には技能実習生という事実上の単純労働者と高度人材という大きく2種類の外国人労働者がいる。受け入れ期間が長くなれば熟練度が上がり、どちらにも属さない中間的な層が生まれる。この層を受け入れたら何が起きるかほとんど議論されていない。

そもそも外国人労働者の受け入れは人手不足ではないときに議論すべき課題だ。外国人をいったん受け入れればすぐに方針を変更するわけにはいかない。冷静に考えられるときに検討しないといけないはずだ。

間口を広げる議論ばかり先行しているが、10年、20年後に外国人が日本を働き先として選んでくれるのかは疑問だ。新興国との賃金格差も急速に縮まっている。外国人労働者はどこの国にいけばよい処遇や望ましい将来を手にできるかに敏感だ。日本にうまみを感じないと来なくなるだろう。

自分のスキルを向上できると思ってもらえるかどうかが大事だ。制度の詳細はまだ見えていないが、10年で帰国させるという仕組みでは企業は人材投資をためらうだろう。企業にとっては10年では投資をしても回収できるか疑問だからだ。誰が彼らの育成コストを払うのか。企業に義務付けるのか、政府が負担するのか。残された課題は多い。

長く日本に住むなら日本の社会生活になじんでもらうことが必要だ。日常的なコミュニケーションからゴミの出し方といった生活のルールまで日本人と共生しやすい環境づくりを進める必要がある。外国人を直接受け入れるのは企業であり、自治体ではない。地域で摩擦を生む懸念もある。

外国人労働者に10年間、日本で過ごしてもらうのであれば、その人の生涯に対して国として一定の責任を負うのは当然だ。そのうえで企業や自治体が、外国人に選ばれるための取り組みを進めていく必要がある。

(1面参照)

1面参照



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