個を活かす組織をつくる(2)勤勉だが受け身の日本人同志社大学教授 太田肇 2017/7/19 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済教室面にある「個を活かす組織をつくる(2)勤勉だが受け身の日本人同志社大学教授 太田肇」です。





 日本人は勤勉で仕事への意欲が高く、会社への帰属意識も強い。それが高い生産性や競争力にもつながっていると信じられてきました。果たして、それは事実でしょうか。

 厚生労働省の毎月勤労統計調査(2015年)によると、非正社員を除く一般労働者の平均年間総労働時間は2026時間と主要国の中では突出して長くなっています。しかも、この20年間ほど大きく変わっていません。また他国では100%近く取得される年次有給休暇も、同省の就労条件総合調査によれば48.7%(15年)と半分も取得されない状況が続いています。

 これらの数字をみる限り日本人は相変わらず勤勉そうです。ところが近年次々と発表されるワーク・エンゲージメント(仕事に対する熱意)の調査をみると、日本人の仕事への熱意は最も低い水準にあることがわかります。日本人の仕事に対する受け身で消極的な姿が浮かび上がります。

 次に労働生産性の国際比較(経済協力開発機構=OECD加盟国)を見ると、日本は1990年代に順位が低下し、92年以降は主要7カ国の中で最下位が続いています。最も高い米国に比べると6割強で、その差は拡大傾向にあります。また国際競争力もIMD(経営開発国際研究所)の調査によれば、92年の1位から急低下し、現在も浮上の気配が見えません。

 日本の順位が下落した時期はIT革命が起き、ソフト化、グローバル化も進行した時期と重なります。前回指摘した通り、経営環境の変化によって社員に求められる意欲・能力が大きく変わりました。日本企業の特徴である集団的なマネジメントと、勤勉だが受け身の働き方が通用しにくくなったことを示しています。



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