全国の知恵で地域おこし 山口FG、新興企業取り込み 2018/05/31 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「全国の知恵で地域おこし 山口FG、新興企業取り込み」です。





山口フィナンシャルグループ(FG)が取り組むスタートアップ企業の支援事業が始動した。全国の才能を「山口に呼び込み、山口から世界に発信する」(吉村猛社長)という意気込みだ。地銀が新興企業の活力を取り込もうとアイデアを募る試みは、千葉銀などが始めたばかり。山口FGは官学も巻き込み、地域全体での活性化を目指す。

ヤフー社長も驚き

24日、山口銀行本店で開かれたイベントでヤフーの宮坂学社長は「ベンチャーには慣れているつもりだったが、新しい発見がいくつもあった」と驚きを交えて語った。山口FGが2月に始めた、地域にスタートアップ企業を呼び込もうというアクセラレーション事業「Unicornプログラム」の本選会の席上だ。

全国のスタートアップ企業に呼びかけ、山口FGの営業エリアを舞台に地域活性化のためのプランを募った。約150の応募があり、最終的に12社が選ばれ、プレゼンテーションを行った。FGのスタートアップ支援を担当する投資共創部の山根孝部長は「本当に生きのいい、才能ある企業ばかりが集まった」と興奮気味に語る。

アクセラレーターの代表には宮坂氏が就き、アクセラレーターには村岡嗣政県知事、宇部市長、下関市長など自治体、地元企業のトップらや大学関係者、ベンチャーキャピタルなど約170人が参加。実際の支援や投資を見込んだ鋭い質問が飛んだ。すでに本選会の直後から、12社と投資と検討する企業との話し合いが始まったという。

本選出場企業の所在地は東京が6社、福岡が2社で京都、広島、徳島、宮崎が1社ずつ。内容は多言語化、地図情報、農業、電力、人工知能(AI)、医療など多岐に及ぶ。目標は高く掲げて「3~5年で上場を視野に入れるレベル」(山根部長)とした。

当初はどれだけ集まるか危惧していたが、ふたを開けてみたらベンチャーコンテストの優勝者などがそろった。半年後、どれだけ支援があったか、事業に着手できたかの成果発表会を行う。

投資共創部が発足したのは昨年6月。山根部長は吉村社長から「100億で何ができるか考えろ」と言われた。山口FGは30億円のファンドを立ち上げ、東京に拠点も設けた。10月には今回のスタートアップ呼び込みの枠組みを考え、準備に取りかかった。

起業の基盤作る

行動を急がせたのは取り巻く環境の厳しさだ。山口県でも年に1万人近く人口が減り、働き手の流出が続いている。地銀にとって地元企業の活性化は死活問題。最良の薬は起業の増加だが、すぐに優良企業が生まれるはずもない。まずは山口に新たな産業を興すという狙いでの、Unicornプログラムだった。

今回は山口に本社のある企業はない。「いずれは山口から次々と企業が出てくるような基盤を作りたい」(吉村社長)。年1回選ばれる10社から、山口発の原石が生まれるかどうか。まずは初回の成果が問われる。

(山口支局長 竹田聡)



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