公的年金の保険料や税金、年1.3兆円が回収不能 消費税の0.5%分 公平性損なう恐れ 2016/04/06 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「公的年金の保険料や税金、年1.3兆円が回収不能 消費税の0.5%分 公平性損なう恐れ」です。





 国民が支払う公的年金の保険料や税金のうち、政府が徴収をあきらめて回収不能になった金額が年間およそ1.3兆円に及ぶことが5日、わかった。国民年金が6割を占め最大だ。全体では現在8%の消費税率での0.5%分の税収に相当する金額を徴収できず、税金で穴埋めしている。政府は年金や税金の不公平性を高め、財政悪化にもつながりかねないとして徴収を強化する。

 税と社会保険料について税務署や地方自治体などが回収できなくなった直近の金額を調べた。たとえば国民年金の保険料は基本的に2年間の滞納が続き、日本年金機構が督促をしない限り回収不能となる。国税では税金の支払い能力がないとして、税務署が「滞納処分の停止」を認定してから3年たつと回収不能になる。

 過去5年の状況を調べたところ、毎年6兆円程度の税金や保険料が決められた時期に支払われずに滞納となった。このうち毎年1.3~1.4兆円が回収できずに積み上がっている。

 回収不能が最大の国民年金は個人事業者らが月額1万6260円支払う制度。2014年度では2年間滞納になった保険料は計5044万カ月あった。滞納保険料全体の数%程度しか強制徴収を実施しなかったとみられ、ほとんどが回収不能になった可能性がある。厚生労働省などは金額を公表していないが、月額の保険料から推計すると最大8000億円程度にのぼるとみられる。

 会社員が加入する厚生年金では14年度に323億円にのぼった。支払い義務のある企業が滞納を続けたためだ。医療分野では中小企業が加入する協会けんぽで178億円、介護保険が142億円あった。自営業者や農家、医者らが加入する国民健康保険は調査可能な13年度で1658億円だった。

 年金や医療、介護などの保険料は社会全体で高齢者などを支える仕組みだ。「ほとんど税と性格が変わらないにもかかわらず、国民年金は安易に回収不能にしている」(日本総合研究所の西沢和彦上席主任研究員)との指摘がある。

 税金では法人税や消費税、所得税などの国税の合計が14年度に1329億円だ。地方税は1752億円に達した。

 会社員の所得税は源泉徴収制度で天引きで税金を徴収されており、税金の回収不能額の多くは個人事業主などが支払う所得税や企業が支払う法人税だ。

 政府は昨春、省庁横断の検討会を立ち上げるなど、国民全員に配るマイナンバーを活用して年金保険料や税の徴収をてこ入れできないかの議論を急いでいる。厚生年金については保険料を滞納している悪質な企業に立ち入り検査を実施する方針だ。



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