内部留保課税二重課税、競争力そぐ 2017/10/7 本日の日本経済新 聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「内部留保課税二重課税、競争力そぐ」です。





 内部留保課税は、企業が毎年の利益から法人税や配当を支払ったあとに残るお金(利益剰余金)に課税する構想だ。財務省の統計によると企業の利益剰余金はおよそ400兆円にのぼる。仮に1%課税すると税収は4兆円に上り、法人税収(国と地方で約17兆円)の2割強に達する。

 かつて共産党や鳩山由紀夫元首相が言及し、2015年ころから自民党内でも議論があった。単純な税収確保のほか、構想を打ち上げることで賃上げや設備投資に企業を誘導するなど思惑は様々だ。

 韓国は15年から3年間の時限措置として内部留保課税を実施。毎年の企業の所得から投資や配当、賃金増などを差し引いた分に10%課税した結果、企業が配当を増やす効果があったという。

 導入には問題がある。多くの専門家が指摘するのは二重課税の問題だ。法人税を支払ったあとのその期の利益に課税するため、税の原則を逸脱する可能性が高い。企業からみると内部留保課税で実質的に法人税率が上がるのと同じマイナスの効果がある。企業の立地競争力向上に向けて法人税を引き下げるのに逆行するなど整合性のとれない税制体系となる。

 内部留保を企業のたまり金と見るのも誤った認識だ。利益剰余金は企業の貸借対照表(バランスシート)の中で自己資本の部の「純資産」に計上される。資産の側で対応している現預金は剰余金の半分強にすぎず、それも運転資金として必要な部分を流動性の高い現預金として置いているだけだ。

 政府は減税によって企業に賃上げや設備投資を促してきた。増税によって企業の行動を変えさせるのは正反対の哲学といえる。



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